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マスターズ前に“意識した”優勝争い 松山英樹は充実の8位

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 最終日(17日)◇TPCソーグラス(フロリダ州)◇7189yd(パー72)

「15アンダーくらい行けばチャンスがあるかなと思ったので、ちょっと残念」。最終日に5アンダー「67」をマークした松山英樹は、想定スコアに3打足りない通算12アンダーでホールアウト。ロリー・マキロイ(北アイルランド)が通算16アンダーまで伸ばして勝利をつかみ、松山は今季3度目のトップ10となる8位で終えた。

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最終組の10組前でプレーしたが、たしかに2季ぶりの優勝もチラついた。朝から冷たい風が吹き、ときおり雨もぱらついた。天気予報は下り坂。先に伸ばして上がっておけば、何が起こるか分からない。松山は序盤からアクセルを踏み込んだ。

7番の第2打は右ラフから。前方の巨木がスタイミー(邪魔)となり、直接ピンは狙えない。残り191ydに4Iを握ると、大きなスライスを掛けてピン左6mへつけてバーディとした。

前半に2つ伸ばして通算9アンダーで折り返したが、10番で手前のガードバンカーにつかまりボギーとした。だが、続く11番(パー5)。「10番のボギーがあったし、やっぱりイーグルを獲りたかった」と、4Iでグリーン右のバンカーに落としながら、3打目を1mに寄せて、すぐにバーディを取り返した。

決勝ラウンドの2日間、パットのスコア貢献度(ストローク・ゲインド・パッティング)はプラスに転じた。「初日、2日は極端に言えばリッキー(ファウラー)みたいに、シュンって(高く)構えて、ポンって(手首を使って)打つ、考えなくても良さそうな打ち方をやっていた。でも昨日、今日はぜんぜん違う」。まだスタイルは手探りながら、確実にパットの安定度は上がってきている。

16番(パー5)は、残り208ydから5Iで2mにつけてイーグルとした。通算12アンダーとし、この時点で首位と2打差。だが、松山のイーグルをかき消したのは、隣接する17番(パー3)でティショットを池に落とした前組ファウラーへのどよめきだった。

松山の脳裏にも、そのシーンは焼き付いた。「リッキーが池に入れていたし、風が分からなかった。そんなに簡単なショットじゃないし、バーディパットが打てればいい」と9Iで打った17番のティショットはピン左7.5mへ。結局上がり2ホールはパー止まりで、頂点にはあとわずか届かなかった。

それでも「(トップと)3打、4打くらいのところで意識しながら、良いショットが打てたり、良いパットが入ったりした」と、実戦でしか味わえない緊張感の中でのゴルフを確認できたことは大きかった。見ている人もワクワク感を覚えただろう。2週間後の「WGCデルテクノロジーズ マッチプレー」を挟んで、「マスターズ」が迫っている。今週、ぎりぎりの予選通過から松山が得たものは、賞金35万ドルだけではないはずだ。(フロリダ州ジャクソンビル/今岡涼太)

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