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名物17番でこじ開けた“穴” 池田勇太は忍耐で浮上

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 3日目(13日)◇TPCソーグラス(フロリダ州)◇7189yd(パー72)

23位タイで決勝ラウンドを迎えた池田勇太は5バーディ、3ボギー1ダブルボギーの「72」。強風のコンディションを耐え抜いて、通算2アンダーの16位タイに順位を上げた。

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天気予報に出ていた雷雲はコース脇の上空を抜けた。池田はスタート後に雨に降られることはなかったものの、次第に激しい風に襲われた。左に曲がる1Wショットが続き、5番ではティショットが左のカート道路で跳ねてブッシュの中へ。2打目はピンとは反対の練習場へ打ち出すことを余儀なくされ、ダブルボギーをたたいた。

我慢を続けて迎えた後半イン。「フェアウェイも乾いてカラカラ、グリーンも硬くなった」という厳しい状況でスコアを伸ばした。11番(パー5)をしっかりバーディとした後、5Wでグリーン手前まで運んだ12番、ティショットをピンそば1mにつけた13番と、テンポよく3連続。「14番、15番のボギーだけ悔いが残る」が、TPCソーグラスの名物ホールで見せ場を作った。

浮島グリーンで知られる17番(パー3)では、同伴競技者のビリー・ハーレーIIIが先に8mのバーディパットを決めた直後、池田も3mの強烈な下りのスライスラインを読み切って、PS(52度のウェッジ)で作ったチャンスを生かした。「ビリーが段の上から入れて、穴が“ふさがった”と思ったが、それをこじ開けられた」と満面の笑み。スタジアム型のギャラリー席からの大歓声を受け止めた。

最終日は再び天候が回復する見込み。「どういう天気になっても、きょう頑張れたんで、やれるんじゃないかと思う」と自信は深まった。十二分に意気込むのは、ここが第5のメジャーという演舞場だからではない。「今後、自分が出場したいトーナメントのためにも頑張りたい」というのが大きなモチベーションだ。

最新の世界ランキングは49位。今シーズン獲得したランキングポイントは3月「WGCメキシコ選手権」で手にした1.55ptだけで、昨年末時点の33位から後退して現在に至る。来月のメジャー第2戦「全米オープン」の出場権を得るためには5月22日時点、または6月12日時点のランキングで60位以内を確保する必要があり、油断はならない。

「優勝のチャンスを作れれば最高。ひとつでも上、優勝に近いところで終われるよう頑張りたい」。首位とは7打差。その一打、一打がさらに大きな舞台につながっていく。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/桂川洋一)

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