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同組スピースが打順を勘違い 松山英樹に訪れた幸運

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 2日目(12日)◇TPCソーグラス(フロリダ州)◇7189yd(パー72)

思わぬ“珍プレー”を力に変えた。イーブンパーの51位から出た松山英樹は「71」で回り、通算1アンダーの34位タイで予選を通過した。終盤17番(パー3)で同組のジョーダン・スピースが打順を間違えるシーンがあったが、冷静に対処して難関ホールを切り抜けた。

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ショットの不振を抜け出せず、強風にも距離感を惑わされ、5バーディ、4ボギーと出入りの激しかった18ホール。松山は状態について「練習場では悪くなくなってきたんですけどね。コースに行くと分かんなくなっちゃう。試行錯誤です」と、口を突き出して語った。ティショットのフェアウェイキープは、パー3を除く14ホール中9ホールとまずまずの出来ながら、「あまり実感はない。セカンドショットがヒドイからそう感じるのかもしれないけど…2日間で良いショットはほとんどない」という。

その苦しいラウンドを支えたのは、ショートゲーム。6番は3m弱のフックラインを残したパーパットをねじ込み、続く7番のバーディにつなげた。後半14番では2打目をグリーン左手前のバンカーに突っ込み、絶望感を漂わせながらフェアウェイを歩いた直後に、起死回生のチップインバーディ。「気分はすごく変わった。難しい上がり、18番があるので少しでも伸ばしていけたらと思っていた」と、思わずガッツポーズも飛び出した。

ゴルフの流れというのは不思議なもの。松山は上り調子で迎えた17番(パー3)、オナーのフィル・ミケルソンが第1打を浮島グリーンの奥にこぼして池ポチャとした後、本来は最後に打つはずのスピースが突然ティに立った。

「なんで先に打ってんだ…。僕が先なんですけど…」という言葉を胸にしまった松山には目もくれず、予選カットライン以下の3オーバーだったスピースの打球は、ミケルソン同様、グリーンで跳ねて再び池ポチャ。「参考になるから良いか、(スピースは)予選通過ギリギリだからカッカしてるのかなあと思ってました。順番通り行きたかったけど、気合いが入ってるところに茶々を入れるのもかわいそうで」

苦笑いが止まらない松山だったが、2人のショットを見た後にPWを振り抜き、ピン左をしっかりととらえてパーセーブ。「PWで打つのは決めていた。しっかり打って、スピンが入ってくれたのでボールが止まってくれた。2番目に打っていたら僕も池に入ってましたね。ちょっとでもスピンが少ない球だったら、池だった」。仮に池に入れてダブルボギーでもたたこうものなら、決勝進出へ冷や汗をかくところ。同伴競技者の勘違いがこの日は、幸運に働いた。

首位との差は前日の5打から8打に広がり、余計に巻き返しが必要になった。「ストローク差はだいぶ開いてしまった。でもこの(難しい)コンディションなんで、毎日ビッグスコアが出るわけじゃない。あと2日、いいスコアで回れたらまだチャンスはある」。前年は3日目に「67」をマークして急浮上。再現といきたい。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/桂川洋一)

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