松山英樹は予選落ち クーチャーら首位、岩田寛は62位で決勝へ
2016年 ザ・メモリアルトーナメント
期間:06/02〜06/05 場所:ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)
「フンフンやりたい」初の3週連続決勝ラウンドの岩田寛は饒舌
やはり、この男は爆発力を秘めている。ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)で行われた米国男子ツアー「ザ・メモリアルトーナメント」の2日目、3オーバーから出た岩田寛は5連続バーディを決めて、ノーボギーの「67」でラウンドし、通算2アンダーの62位で米ツアー参戦後初めて3週連続の決勝ラウンド進出を決めた。
5連続バーディの始まりは、初日に“事件”が起きた5番(パー5)。「9年やってもらっているキャディと初めてケンカした」という因縁のホールだった――。
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ケンカの原因はティショットに選択したクラブだった。初日は1Wを握り、フェアウェイを突き抜けて先のクリークへと入れてしまった。クラブを抜いたのは岩田本人だったが「なんで3Wを持たせないの?」と突っかかった。「メモ見てるじゃん!」と新岡隆三郎キャディも珍しく応戦した。「僕が悪かったなと思って、不思議と冷静になった」と数ホールでその怒りも収まると、「そこから良い方向にいったと思う」。
この日の5番(パー5)は、ティショットをきっちりフェアウェイに置き、3打目で3mにつけてバーディ奪取。6番は9Iで1.5m、7番(パー5)は2打目でグリーンエッジまで運び、8番(パー3)は再び9Iで1.5m。9番は得意のバンカーから直接入れて5連続バーディとした。
後半は13番で1mのバーディパットを外して「そこから苦しかった」というが、14番以降はすべて1パットのパーで耐え、最終18番は大きく曲げた右ラフから6Iでグリーンに載せるリカバリーショットを見せて2パットのパーとした。
最近は、たとえ調子が悪くてもプッツリと切れることはなくなった。引きずらない、気持ちの切り替えが粘り強さを生んでいる。「クラブは引きずってますけどね…」と岩田は自虐ネタで笑わせた。
前夜は久しぶりに苦手なお酒も口にした。「飲まなきゃやってられないです(笑)」というほどには飲めないが、気持ちは晴れた。「ちょっかいを掛けてくるので、(キャディの)Tシャツを破ろうとしたけど、破れなかった」と、ケンカをしたキャディともじゃれ合った。「こういうのもたまには良いのかな」。
シード獲得へフェデックスカップポイントも稼ぎたいが、岩田は「結果もそうだけど“フンフン”やりたい」と独特の言い回しで目標を掲げた。「フンフンっていうのは説明できないけど、興奮しているフンフンじゃなく、鼻歌みたいな…」。久しぶりに饒舌となった岩田の話は、なかなか終わりが見えなかった。(オハイオ州ダブリン/今岡涼太)