スピース、デイ、マキロイらは順当勝ち 松山英樹は初戦黒星
2016年 WGCデルマッチプレー
期間:03/23〜03/27 場所:オースティンカントリークラブ(テキサス州)
新1W投入の松山英樹 惜敗も「悪くはない」
それまで、淡々とプレーしていたラファ・カブレラベロー(スペイン)が右手で力強くガッツポーズを繰り出したのは、17番(パー3)で1アップとなるバーディパットを決めたとき。テキサス州にあるオースティンCCで行われた「WGCデルマッチプレー」初日、カブレラベローと対戦した松山英樹は、1ダウンで敗北した。
「バーディが3つでは勝てないですね」。松山は自虐的に鼻で笑った。前半からカブレラベローに主導権を握られた。2番でアプローチをミスしてアップを許すと、4番(パー3)では1.5mのチャンスにつけるも決められず、逆に2mを沈めたカブレラベローが2アップ。9番では2打目をグリーン左のハザードに打ち込み、前半だけで3アップとされた。
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「自分が良いショットを打ったつもりでも、結果が思ったようにつながらなかった。悪くはない」
この日、松山はスリクソンの新1W(Z765プロトタイプ)を実戦投入した。ロフト表記は9.5度で、シャフトはUSTマミヤのATTAS G7(8TX)。松山が長年使っているZR-30以外の1Wを用いたのは、2015年1月の「ソニーオープン」まで遡る。感触は「分かりません」と言葉を濁したが、12番では追い風に乗って367ydのビッグドライブを見せるなど、徐々にその手に馴染みつつあるようだ。「ショットに関しては良くなった。(前週の最終日とは)ぜんぜん雰囲気が違うし、良くなったなぁという感じ」。
後半に入って風が強く吹き始めたが、松山は2バーディ、ノーボギーと崩れなかった。一方のカブレラベローは、3バーディ、3ボギー。12番から3連続で奪った松山は、マッチをオールスクエアへと戻した。
だが、17番(パー3)で9Iのティショットが「飛んでしまった」と奧のラフまで達し、手前5mを沈めたカブレラベローに1アップを許すと、最終18番はともにパー。僅差で勝利を逃した。
「良くはなっていると思うので、それをどうコントロールするか。そこがまだ全体的にできていない」。松山はスコアを出せなかった要因を「パットが入らなかったり、ちょっとした部分」だと言った。その言葉は“兆しが見えてきた”と、ポジティブにとらえても良さそうだ。(テキサス州オースティン/今岡涼太)