グランドスラム達成へ準備万端のマキロイ
2015年 マスターズ
期間:04/09〜04/12 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
史上6人目のグランドスラムへ マキロイの挑戦
米国男子メジャー今季初戦「マスターズ」は9日(木)、今年もジョージア州のオーガスタナショナルで開幕を迎える。注目点の1つが、世界ランク1位のロリー・マキロイにかかる4大メジャー制覇の称号、「キャリアグランドスラム」の達成だ。
英国・北アイルランド出身の25歳は、2011年「全米オープン」、2012年「全米プロゴルフ選手権」を制したあと、昨夏に「全英オープン」と「全米プロゴルフ選手権」でも勝利を収め、メジャー競技は2連勝中。
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男子プロゴルフで4大メジャーを全て制しているのは過去に5人いる。ジーン・サラゼン、ベン・ホーガン、ゲーリー・プレーヤー、ジャック・ニクラス、そしてタイガー・ウッズに次いで6人目の快挙を狙い、マキロイは7度目の「マスターズ」に挑む。
マキロイがもっともグリーンジャケットに近づいたのは2011年。4打差リードで迎えた最終日、残り9ホールを終えて1打差まで詰められると、10番のティショットを左に曲げてトリプルボギー。さらに11番をボギー、12番もダブルボギーと3ホールで大きく崩れ、後半「43」の大叩き。最終日「80」で15位に転落した。
開催年 | 順位 | 初日 | 2日目 | 3日目 | 最終日 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
2009年 | 20位 | 72 | 73 | 71 | 70 | 286 |
2010年 | 予選落ち | 74 | 77 | - | - | 151 |
2011年 | 15位 | 65 | 69 | 70 | 80 | 284 |
2012年 | 40位 | 71 | 69 | 77 | 76 | 293 |
2013年 | 25位 | 72 | 70 | 79 | 69 | 290 |
2014年 | 8位 | 71 | 77 | 71 | 69 | 288 |
■好調?不調? マキロイの今季序盤戦
マキロイは今季、1月の欧州ツアー中東シリーズからシーズンイン。アブダビ開催の「アブダビHSBCゴルフ選手権」では1打差の2位。2週間後の「オメガドバイデザートクラシック」では3打差をつけて今季初優勝を飾り、好調なゴルフで滑り出した。
しかし、2月末から参戦した米国ツアーでは苦戦を強いられている。「ザ・ホンダクラシック」では7オーバーで予選落ち。プレー後の記者会見では「3週間試合から離れていて流れをつかむ事ができなかった。ツアー競技では2013年から予選通過を続けていたので悔しい。横風の対応が今ひとつだった」と話していた。
翌週の「WGCキャデラック選手権」では9位とトップ10フィニッシュを果たしたが、持ち球のドローボールが不安定で満足感は低かった。2日目の8番(パー5)では、2オン狙いの2打目をグリーン左の池に打ち込み、手にしていた3Iを池に投げ捨てる場面も。「総合的にいいプレーができなかった。最終日もデータ的にはパーオンを外したのは3回だけかもしれないが、構えたときのしっくり感が今ひとつ。オーガスタに向けては右から左に曲がるドローボールをしっかりと打てるようにならないといけない」。
初挑戦となった3週間前の米国ツアー「アーノルド・パーマーインビテーショナル」では、8打差の11位フィニッシュ。最終日のプレーを終え、「マスターズ」に向けての最終調整で必要なのは120ヤード以内のウェッジの距離感と説明した。
■今年のオーガスタに向けた準備とポイント
オープンウィークだった前週は幼少からのスイングコーチ、マイケル・バノン氏とともに弾道分析機器『トラックマン』でクラブの入射角を分析し、持ち球のドローボールが甦ってきたという。
開幕2日前にオーガスタナショナルで行われた公式記者会見では 「しっかりと良い準備ができていて、先週はキャディや関係者に、明日からマスターズが始まっても大丈夫なんていう話をしていた」と自信満々のコメントを残した。
マキロイは過去22ラウンドにおいて、88ホールあったパー5で通算21アンダーと、あまりスコアを伸ばせていないデータがある。マキロイは自らその点について言及。「昨年はパー5で4回のボギーがあり、4日間で合計イーブンパーだった。優勝したバッバ・ワトソンは合計8アンダー。彼との差は8打差だったから、やはりパー5のプレーが大事だと思う。昨年最終日は13番、15番とも、2打目を9番アイアンでグリーンを狙ったのに両方ともボギー。イーグルを取ろうと攻めすぎずに、最低でもバーディを取れるルートを狙っていこうと考えている」と説明した。
キャリアグランドスラムに関して、 「ここ数年は目標設定を高く掲げて努力を続けている。今回はゴルフ界でわずか数人しか成し遂げていないことを達成できるチャンスだね。メジャーで具体的に何勝したいという目標はしていなくて、目の前の5勝目を挙げることができたら次の6勝目を狙っていきたい」と、落ち着いた口調で答えた。
■優勝予想オッズでは一番人気
マキロイがこれまで制した4つのメジャーでは、いずれも初日からスコアを伸ばしている。2011年「全米オープン」は「65」、昨年「全英オープン」初日は「66」でリーダーボードのトップに立った。2012年「全米プロ」は「67」、昨年「全米プロ」も「66」で首位と1打差の好スタートを切っていた。
英国ブックメーカーの優勝オッズでは、マキロイが優勝一番人気で6倍。ジョーダン・スピースが2番手の10倍、連覇を狙うバッバ・ワトソンが12倍。世界ランク111位まで落ち込んでいるタイガー・ウッズの優勝オッズは40倍。松山英樹は70倍という数字になっている。
大会初日、マキロイは午前10時41分にフィル・ミケルソン、ライアン・ムーアと同組でプレーを開始する。(ゴルフ解説者アンディー和田)
<マキロイの使用ギア>
アーノルド・パーマーインビテーショナル使用時
ドライバー:ナイキ ヴェイパー プロ ドライバー ロフト:8.5度
※シャフト:三菱レイヨン ディアマナS+ 70X プロトタイプ
フェアウェイウッド:ナイキ ヴェイパー スピード フェアウェイウッド(3番15度、5番19度/藤倉ゴム工業 ランバックス プロ 95X)
アイアン:ナイキ ヴェイパー プロ アイアン(4番-9番/プロジェクトX 7.0)
ウェッジ: ナイキ VR フォージドウェッジ(46度、52度、56度)
ナイキ エンゲージウェッジ デュアルソール(59度)
パター: ナイキ メソッド 006 The Oven プロトタイプ
ボール: ナイキ レジン ブラック ボール