シーズンの最終日を前にホーシェルを捕らえてトップタイに浮上したマキロイ

ジョージア州のイーストレイクGCで開催中のフェデックスカッププレーオフ最終戦「ツアー選手権byコカ・コーラ」3日目。ロリー・マキロイ（北アイルランド）が「67」をマークし、通算9アンダーとして首位タイに浮上、初の年間王者のタイトル獲得へ近づいた。

2日目を終えて首位に立っていたビリー・ホーシェルと2サムの最終組でプレーしたムービングデー。10番を終えたところで伸ばしたスコアは1つにとどまっていたが、見せ場は後半のパー5で訪れた。右ドッグレッグの15番。1Wで右サイドのフェアウェイバンカーを越える320ydドライブのティショットを見せると、フォローの風を感じながら、残り209ydを5Iで放った第2打はグリーン左奥のカラーまで到達。7m強をパターで沈めてイーグルを奪い、ホーシェルを捕らえた。

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「久しぶりにプレーしている」というバミューダ芝のグリーンに「加速がつきやすい」と警戒心を強めながらも、徐々に対応。最終18番（パー3）では、グリーンの左奥からウェッジでフックラインに乗せて1mに寄せきり、見事なパーセーブで絶好のポジションを確保した。

フェデックスカップランキング4位で今大会を迎え、優勝すれば年間王者とボーナスの10ミリオンドル（約10億円）を手にするが「お金は大きな問題じゃない」とマキロイ。

「『このパットを決めたら7万ドルだ』なんて風に、考えながらプレーしたことはないかな。お金は大事だし、誰だって勝った後にATMでお金を引き出して、残額を見たら気分がいい。でも僕はコースではそう考えてこなかった。お金があればたくさんのことができるし、人を救えるかもしれないけど、プロゴルファーになったのは、それを優先したからじゃない」

「プロになってすぐ、ダンヒルリンクス（欧州ツアー）でいいプレーをして、次の週に銀行口座を見てびっくりした」。2007年、プロ転向後2試合目の「アルフレッド・ダンヒル・リンクス選手権」で、いきなり3位に入賞した。「友達は大学1年生になったばかりだったけど、18万ポンド（約3140万円）も入っていた。今考えても、すごいことだよね。年を重ねるにつれて両親のありがたみやお金の大切さも理解できるようになってきた。でもお金じゃない。現役を退いたとき、人々はいくら稼いだかじゃなくて、タイトルの数の方が記憶に残るものだよ」

25歳のマネーリーダーにとっては、お金よりも魅力ある王者のタイトル奪取へ、ラストスパートをかける。（ジョージア州アトランタ／桂川洋一）