石川遼、あの全米オープンは「今の自分には無理」
2014年 トラベラーズ選手権
期間:06/19〜06/22 場所:TPCリバーハイランズ(コネチカット州)
300ヤード&4ヤード 石川遼が求める「質」の練習
米国男子ツアー「トラベラーズ選手権」に2年ぶり2度目の出場を予定している石川遼が、大会前日に練習場で最終調整を行った。
9時すぎに会場となるTPCリバーハイランズに現れると、ドライビングレンジに向かいショットの練習に入った。前日はドライバーショットに始まりドライバーショットで締める流れだったが、この日は重さ1キロの素振り用のクラブでウォーミングアップを行い、ウェッジから練習を開始した。
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強い向かい風の中、ストレート系の弾道で番手を上げていき、4番ウッドとドライバーショットには少し多めに時間を割いた。「このコースでもフェアウェイキープが大事ですし、今後の自分のゴルフでもの凄く重要なことなので。長いクラブで練習をすると、他のクラブでもタイミングが合ってくる」。石川はアマチュア時代からこだわり続けるドラバーショットの精度を上げるために、集中して練習を行った。
そして、白球で何度も空を切り裂いた後で始めたのが、精度向上のために取り組み始めたというアプローチのピンポイント狙いだ。「先週から取り入れてみたのですが、結構難しくて…」。練習場の前方4ヤード地点に1つ目のティを刺し、2つ目は斜め後方4.5ヤード地点…以下0.5ヤード間隔でジグザグに合計8本のティを刺し、58度のウェッジで、その目標に当てる練習をひたすら繰り返した。
最も遠い8本目のティを狙う際には「ストレート、フェード、ドロー、あとはロブの4種類の弾道で狙う練習もしています」という。わずか7.5ヤード(7メートル弱)先に対し球筋を打ち分ける練習まで加えていた。「アイアンのフルショットに通じるものがあるので。練習は量をこなせる体力も大事ですが、質が大事だと思う」。
以前から、練習でもいかに1球に集中できるかが大事だと話していたが、「ショットだけでなく、アプローチも1球ずつ狙いを定め、上手く行かなければどこが悪かったかなどをしっかりと分析しながら行うことが大切だと思う。どんな練習でも質が伴わないと意味がない」と、今年4月ぐらいに着想していたアイデアを実行に移し始めた。
「目先のスコアを伸ばすことにこだわるのではなく、今季の後半、プレーオフで戦うための準備。そして来年のメジャー出場に向けた取り組みの1つだと思ってください」。今年は早々に来季シードを確実なものとし、その先のレベルを目指して戦っている。初優勝への焦りはない。向上し続けることが今のテーマだ。(コネチカット州ハートフォード/本橋英治)