日本人選手情報/全米プロ練習日
今季メジャー最終戦、全米プロウイークが始まった。
今年の開催コースは名匠ドナルド・ロスによって設計されたオークヒルCC。過去にライダーカップや全米オープンなども開催された由緒あるコースだ。
火曜の練習日、姿を現した4人の日本人選手は最終調整に余念がない。一昨年4位に入った片山晋呉の活躍の再来はあるのか?
また、今季出場したメジャーすべてに予選落ちを喫してしまった、丸山、伊沢、谷口は雪辱を果たせるのか?
メジャーセッティングの攻略法、レギュラーツアーではあり得ない深いラフの対策など・・・。4人の挑戦者たちが取り組んでいる最終調整の模様をお届けしよう。
■ 谷口徹
今年はメジャーすべてで成績が振るわなかった谷口徹だが、先週のサン・クロレラクラシック(日本ツアー)からキャディを変え、全米プロには気分を一新してやってきた。
「ラフがきついです。全米オープンより難しいかもしれない。全米オープンのラフはまだ(クラブヘッドが)抜けたけど、ここは湿っていて重たいですからね。でも、フェアウェイはボールが止まる。まあ、ラフに入れないことですね」。
開催コースのオークヒルは、距離的にかなりタフなホールと、短めのままのホールの混合状態と言われているが、谷口は「いや、日本に比べれば、やっぱり距離はタフですよ」と、距離的な難しさを強調。
「予選を通るかどうかで、いっぱいいっぱいのゴルフじゃダメですね。でも、最低目標は予選通過です」と、まずは予選ラウンドに向かって意欲を見せている。
■ 伊沢利光
丸山茂樹、片山晋呉と3人で練習ラウンドを始めた伊沢利光。 「最初は18ホールやるつもりだったけど、今日は体調が悪い」と、9ホールでフィニッシュ。
「メジャーですから、セッティングは厳しい。でも、およそ切りそうなところは、わかってます」と、ピンポジションに対する不安は抱いていない様子だ。「今年の全米プロは全米オープンに近いセッティングですね。一番のキーポイントはティショット。グリーンはアンジュレーションが少ないので、だいたい2パットでいける」とは、伊沢のゲームの組み立て構想。
「メジャーは初日から全開モードになっちゃって、最後までもたないことが多い。だから、予選ラウンドは全開モードでいかないようにしたい」という伊沢は、無理にバーディを狙うより、確実にパーを拾うゴルフを展開する作戦だ。
■ 丸山茂樹
全英オープン後、日本に滞在し、この全米プロ出場のためアメリカに戻ってきた丸山茂樹だが、日本を出発しようとしたその日に「腕が上がらない」症状が出たため予定を1日変更。
昨日月曜日に現地入りした。だが、今日火曜日の練習ラウンドは元気に18ホールをこなし、「最初は思い切り振る勇気が湧かなかったけど、後半からは体が温まってきた」と笑顔。「ゴルフそのものの調子は悪くない」ということで、「今日はなかなかのゴルフだった」と、むしろ満足げである。
オークヒルはこの大会のために7つのホールの距離が伸ばされたが、「17番、18番はナンセンス。難しくしていると言うより、ただ長くしているだけ」と、コースセッティングに対しては不満げだ。丸山はポアナ芝の混じったグリーンを以前から不得意としており、「ここもポアナが入っているってわかっていたから、パターを4~5本用意した」そうだ。
「結局、ティショットとパターが良かった人が勝つんじゃないかな」と語る丸山。ポアナ対策のパターが活躍してくれることを期待したい。
■ 片山晋呉
月曜日に9ホール、今日火曜日に18ホール、そして明日は9ホールの練習ラウンドを予定しているという片山晋呉。「調子は悪くないですよ。でも、ここは難しいコース。17番なんて、僕は届かないですからね。だけど、試合になれば届いちゃうと思います」と、距離に対しては、やや楽観的。
「グリーンはまっすぐ転がってくれない。(ティショットを)ラフに入れたらダメだけど、ラフはどうしても入っちゃう。だから、ラフに行ったときでも2回に1回はパーが取れるようなゴルフをして、上位に食い込めるようがんばりたい」。練習ラウンド後、片山はPGAツアーから“出張”してきたフィットネストレーラーへ行き、エクササイズも欠かさない。
「こういうトレーニングをやらないでも飛ぶ人たちは、いいですよね。オレなんか、やっても飛ばない」と言いながらも、しっかり鍛錬しているという事実が、片山の自信につながっているようだ。
テキスト&写真/BEYONDSHIP