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2012年 全米プロゴルフ選手権
期間:08/09〜08/12 場所:キアワアイランドリゾート(サウスカロライナ州)

タイガー、最終メジャーを前に万全の調整をアピール

タイガー・ウッズは全米プロゴルフ選手権に過去14回参戦して4回優勝(1999年、2000年、2006年、2007年)、他2位が2回を含むトップ10フィニッシュが合計8回と好成績を収めている。開催コースが毎年変わるこのメジャー大会、今年の舞台は奇抜なデザインで有名なピート・ダイ氏設計のシーサイドコース、キアワアイランドリゾート・オーシャンコース。全長は7676ヤードというメジャー競技で最長記録となるコースは、アメリカゴルフダイジェスト誌の「アメリカで一番難しいゴルフコース」のナンバーワンに選ばれている。

今シーズンのタイガーはPGAツアーで3勝、賞金ランキングとFEDEXカップランクとも1位と、普通のPGAツアー競技では好成績を残しているが、メジャー大会ではマスターズ40位、全米オープン21位、そして先月の全英オープンでは優勝したエルスとは4打差の3位とまだ最終日のバックナインでは優勝争いには絡んでいない。特にそのメジャー戦の週末スコアはマスターズ(72・74)、全米OP(75・73)、全英OP(70・73)と60台のスコアを一度も出す事ができず全盛期の時の「タイガーチャージ」は不発に終わっている。

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全英ではティショットでアイアンを多用して、フェアウェイキープを最優先にしてプレーするという戦略で4日間をプレーしたが、最終日は前半のトリプルボギーが響き逆転優勝を逃がした。先週のWGCブリヂストンインビテーショナルではショートアイアン、ウエッジの距離感が今ひとつという印象があった。グリーン上でもカップに嫌われて4日間の合計パット数は122。キャディのジョー・ラカバ氏とグリーン上で時間をかけてラインを相談するシーンも多かったが、2日目は特にグリーンに苦しんだ。数ヶ月前から、少しオープンスタンス気味でパッティングスタンスを構えるようにしたタイガーだが、右から左に曲がるフックラインの出球コントロールも今ひとつ。4日間を通じて5メートルから8メートルのパットは21回トライして一度もチャンスをモノにできず、9打差の8位フィニッシュ、8度目のWGCブリヂストンインビテーショナルのタイトル奪取はならなかった。

しかし前週。最終日のプレー後のインタビューでは今週のメジャー大会に向けてショットは良い仕上がり、調整がうまくいっているようで表情は明るく「飛距離もしっかり出ているし、ボールの高さのコントロール、左右に打ち分けられるし、ショットのキレがいい」と不安材料はないことを強調していた。

ちょうど2年前のこの大会の練習場でスイングコーチ、ショーン・フォーリー氏の指導を仰ぎ、スイング改造をスタートした。今年のタイガーはドライバー、3番ウッドなどのティショットで距離も出ていて安定感は抜群。今回のコースとなるキアワアイランドは、2オンが可能なパー5も4ホール中3ホールあり、ドライバーが安定しているとバーディチャンスは増えてくるだろう。

火曜日の記者会見でタイガーはいろいろな質問に対しリラックスした表情で応えていた。

タイガー:このコースは先週火曜日にプレーをしました。その日も雨が降ったのですが、数日前にもどしゃ降りだったということで、コースはソフトでランが出ませんでした。試合までにはきっと乾くと思っていましたが、天気予報を見ると乾いた状態にはならないようですね。ボールに泥が付かないので良かったです。フェアウェイの状態は完璧。パッティンググリーンの仕上がりもとても良いですね。グリーンはあまり刈ることができないので少し遅めの設定になるようですね。でもしっかりとボールを止めることができます。全米プロゴルフ協会がティの場所を一番後ろのままでプレーをするように設定すれば、かなり長いコースになることでしょう。

(ピートダイの設計について)
タイガー:彼の設計コースの特徴は構えた時に見た目で威圧感を与えるところです。素晴らしい設計者だと思います。私は彼のコースが好きです。しっかりとした戦略が必要ですからね。

ジャック・ニクラスのメジャー記録を追い抜くことに関して)
タイガー:記録を超えるには時間がかかります。ジャックの最後のメジャー優勝は46歳の時でしたよね?私はまだあと10年チャンスがあると考えてもいいですね。あと4つのメジャー制覇は用意ではありません。でも私にはまだ時間がありますし、焦ってはいません。しっかりとトレーニングを続けることが大事です。ワトソンは59歳、ノーマンは54か55歳でもう一歩だったということもありましたよね。

(2016年のオリンピックについて)
タイガー: アメリカ代表としてプレーできたら素晴らしいですね。 4年後は40歳になっていますが、その時点で出場資格を得るといいですね。アメリカ代表選手としてブラジルに行くことができれば最高です。ゴルフは長い間オリンピックの種目ではありませんでしたからね。

初日タイガーは現地時間午前8時30分(日本時間午後9時30分)に10番ホールからスタートする。組み合わせは2010年チャンピオンのマーティン・カイマーと、昨年優勝したキーガン・ブラッドリーという歴代チャンピオンの3人。1番スタートだと最初の3ホールは比較的易しいが、10番スタートだと4ホール連続で、左サイドは海からの南風が吹き、右サイドはトラブルが続く。初日の4ホールをイーブンパー、悪くても1オーバーでクリアすることが大事になる。

天気予報は連日雷雨の予報もある。毎日、数回は中断することになる可能性は高いようで、選手も難しいコースを相手にする以外にも、高い湿度と雷雨による中断など選手は違った意味で忍耐力が必要となる4日間になるだろう。

アンディー和田
(ゴルフチャンネル解説者)

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