LIVゴルフからPIF撤退でアジアンツアーはどうなる 年間王者・比嘉一貴の思うところ
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 最終日(17日)◇アロニミンクGC(ペンシルベニア州)◇7394yd(パー70)
サウジアラビア政府系ファンド(PIF)が今季限りで出資を取り下げるLIVゴルフの周辺が騒がしい。2022年にPGAツアーを離れて加入したダスティン・ジョンソンは今大会期間中、リーグ存続の可能性について問われると、「その時が来たらまた聞いて。今は何も分からないよ」と淡々と返答。キャリアの今後が注目される。
PIFの撤退はLIVだけでなく、同時期に資本を受け入れたアジアンツアーにも影響する可能性がある。3億ドルの投資により同ツアーは高額賞金がかかるインターナショナルシリーズを22年から実施。4月初旬には日本でも第2回大会が開催された。
2022年の国内ツアー賞金王・比嘉一貴は昨年、日本人選手として初めてアジアンツアーの年間王者にも輝いた。PIFが離れることについて公式な知らせを受けたが、それ以上の情報はないという。3週前に「シンガポールオープン」に出場した際、ツアーのチョ・ミンタンCEOとプロアマ戦に参加したときも「悲観的な話は出なかった」という。「むしろ、『年間王者になったことが日本であまり反響がなかったことが残念だ』と言われました」と苦笑いした。
世界トップレベルの選手とぶつかり合いたい想いから、比嘉は数年前、インターナショナルシリーズ経由でのLIV行きをキャリアプランのひとつに挙げていた。PIFからの出資は「アジアンツアーには恩恵しかなかった」と指摘する。「LIVの強い選手が出場して層が厚くなって、世界ランクポイントも少しずつ高くなった。もともとPGAツアーにいた選手たちが出る大会は雰囲気も違う」。それゆえ、今回の騒動は「LIVの心配よりも、アジアンツアーがどうなるかの方が僕は気になる」と将来を案じた。
昨年から、アジアでもウソかホントか分からないような噂が飛び交っていたという。「(個人的にも)こんなに早く…とは思っていなかったけれど、LIVが将来どうなるのかは気になっていた。毎年1千億円規模の赤字を出している…なんて話を聞くと、(ツアーが)何のために興行を続けているか正直分からなくなる」。実際にうねりを見せ始めたのが、年明けから。「(損失の)金額が大きいのか、小さいのかは僕らには分からなくても、この数カ月かの間にLIVから看板選手もいなくなったのは事実」と潮目を見た気持ちでいる。
3年ぶりの全米プロで再び4日間プレーした比嘉は次週、「日本プロゴルフ選手権大会 センコーグループカップ」(滋賀・蒲生GC)に出場する。週明けの25日(月)には6月のメジャー第3戦「全米オープン」(ニューヨーク州シネコックヒルズGC)の出場権をかけた36ホールの予選会に参加。6月11日からはインターナショナルシリーズでモロッコに飛ぶ。「もちろん、既存のアジアンツアーの大会はこれからも大切にするつもりです。ただ、LIVがなくなるのであれば、優先順位が少しずつ変わるかもしれない」。海外ツアーとの接点を探しながら、状況を注視していく。(ペンシルベニア州ニュータウンスクエア/桂川洋一)