「ゴルフよりサッカーが好きという時も」 フィッツパトリックが第5のメジャー翌週にリベンジV
◇米国男子◇バルスパー選手権 最終日(22日)◇イニスブルックリゾート コパーヘッドコース(フロリダ州)◇7352yd(パー71)
ちょうど1週間前、マシュー・フィッツパトリック(イングランド)は最終18番でミドルパットを外し、ボギー締めにひざから崩れ落ちた。今週の72ホール目で残したのは5mのバーディパット。まるで「ザ・プレーヤーズ選手権」での惜敗シーンが伏線だったかのような、力のこもったガッツポーズで激動の日々を締めくくった。
最終日に同組でプレーしたキャメロン・ヤングに1打差で敗れた“第5のメジャー”。そもそも、「終盤は間違ったプレーをした感覚がなく不思議な感じがしていた」という。バックナインのショットの数々は「言うなれば、きょうの出来よりも良かった」とすら思えた。
終盤3ホールの難所、“スネークピット”(ヘビの巣穴)を擁するコパーヘッドコースは、日が経つにつれて芝が焼け、硬く、速くなった。4位から出たフィッツパトリックが3番でバーディを奪った前半プレー中には、6人が通算9アンダーの首位で並ぶ大混戦。ハーフターンでリーダーボードを確認した際に「トップで並んでいて驚いた。2打差くらいを追っていると思っていたから」と、チャンスを作り続ける気持ちをさらに強く持った。
ノーボギーのまま15番で9mのバーディパットがカップに飛び込み、2週続けてゲームをリードする立場になった。2022年の「全米オープン」王者は「欧州では良いフィニッシュをした次の試合は、言い方が正しいか分からないけれど、ちょっと気が緩むことがあった」と過去を振り返る。
「『良い終わり方だったから、今週は少し緩めてもいいだろう』と。でも今週はそう考えないと決めていた。調子は良いから全力を出し続けようと思った」。4回目の出場(予選落ち2回)、12ラウンド目にして初めて18番で奪ったバーディで「68」。通算11アンダーで後続を1打差で振り切った。
昨年はプレーヤーズ選手権、そして本大会で2試合連続予選落ち。春先にキャディをはじめチーム編成を変える事態に見舞われた。「これからどうなるのか分からず大変だった。本当にゴルフは嫌いにもなるし、大好きにもなる。だから周りには『ゴルフよりもサッカーの方が好きだ』と言ったりもする」と笑う。「本当にフラストレーションが溜まるゲームだ。でもきょうの最後の瞬間みたいな瞬間があるから、結局戻ってきてしまう」。3年ぶりのツアー優勝で、またしてもゴルフの魅力にとりつかれた。(フロリダ州パームハーバー/桂川洋一)