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「ネーミング・ライツ」がゴルフ界にも革命をもたらす

2004/06/22 09:00

もしロサンゼルス・レイカーズが「ステイプル・センター」でプレーし、ワシントン・レッドスキンズが「フェデックス」を「ホーム」と呼ぶなら、マスターズ出場選手にとって、それはさしずめ「キャデラック・オーガスタ・ナショナル」ということになるのだろうか?おそらくそうではない。

しかし、ゴルフのコースがこれからこうした法人名を持つことになったとしても驚くには値しない。少なくともマーケティングの専門家によれば、商標設定はスポンサー離れを防ぐためにも効果的だという。例えば、アリゾナ・ゴルフ・アソシエーション(AGA)は、最近スポンサー企業を探すためのコンサルタントを雇用したことを公表した。また、「パンプキン・リッジ・アソシエイツ」は、AGAのみならずオレゴン州クレスウェルの「エメラルド・バレー・ゴルフクラブ(オレゴン)」を含むコースのネーミング・ライツ(命名権)交渉に取り組んでいる。

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こうした動向がゴルフにとって良いかどうかという判断はさておき、愛するスポーツの商業化に否定的な態度をとる伝統主義者は必ずいるだろう。しかし、賛同者は、商標設定がゴルフに新しい収入経路や安価なゴルフの提供に役立つ副収入をもたらすと期待している。

現在のところ、ネーミング・ライツをそのまま適用した商標やロゴの使用はまだ見られていないが、似たようなスポンサー戦略は既に試みられている。「クラブ・コープ」は、ストーンブリッジ・ランチにあるコースを「ダラス・スターズ・カントリークラブ」と命名し、プロホッケーチームと契約を結んでいる。コースのオーナーはネーミング・ライツを売却したわけではないが、この契約のおかげで、ゴルフクラブの会員にはスターズのチケットのディスカウントが、逆にスターズのシーズンチケット所有者にはゴルフクラブの会員権が与えられるサービスを開始した。

他にもこの道の先駆者はいる。パンプキン・リッジのマーヴィン・フレンチによると、「AT&Tはすでにペブル・ビーチ(AT&Tペブル・ビーチ・ナショナル・プロアマ)でこれを試している。ただし、たった一週間だけで通年ではないけど」。またフレンチのパートナーであるグレッグ・クロフォードは、PGAツアーがTPCコースをブランド化し始めたことを指摘している。

しかし、コースのネーミングには厄介ごともある。例えば、スポンサーの名前はどこにどう入れられるべきか、ゴルフコースでそれがどう表示されるか、といったことはいまだ未定だ。さらに契約期間の長さと費用の問題も未解決だ。サッカーや野球、バスケットボールやホッケーではネーミング・ライツ契約の問題が一時的活況を引き起こした。極端だったのがロサンゼルスとサンディエゴだ。「ステイプル」は、ロサンゼルスのど真ん中に20年間その名前を掲げるために1億ドルを出資。価格はサンディエゴの方が低く、(メジャーリーグチームで大塚が在籍するサンディエゴ・パドレスの)「クアルコム」球場は20年間の契約で1800万ドルを支払った。

しかし、クロフォードが言うにはこの動きに対する周囲の興味は高いらしい。4月、パンプキン・リッジは 「エメラルド・バレー」をネーミング・ライツの最初のクライアントだと公表した。「国中から問い合わせがきた。これまでなかったのが不思議だと思う人もいるぐらいだ」」と、クロフォード。アリゾナ・ゴルフ・アソシエーションにとってパンプキン・リッジとの契約は障害のないものだった。「(マーヴィン・)フレンチもスポーツの後援団体に注目していたし、彼もゴルフをやってみたいといっていたよ」と、AGAの専務であるエド・ゴワンは言う。

フレンチは「パンプキン・リッジ・ゴルフクラブ(オレゴン)」の創立者の一人でもある。当コースではここ8年間で、5度の全米ゴルフ・アソシエーション・チャンピオンシップを開催しているコースとして知名度が上昇している。「ゴルフに携わりたいという業界の人はたくさんいる。麻薬などとは無縁でクリーンなイメージを持っているし、露出率は抜群だ」と、フレンチ。「肝心なのは、スポンサーとコースの組み合わせだ。僕はわりと厳格なので、『パイン・バレー(ゴルフクラブ)』を『フリートボストン』にしろとは言わない」。ゴワンとフレンチは公共ゴルフに対しても同様の考えをもっている。ゴワンによると、「安価な末端のパブリック・ゴルフはゴルフの未来」と、豪語する。

AGAはアリゾナ州トゥーソン近くに土地を持っていて、コースのデザインも既に完成されている。だが資金の目途が着いていない。「土地、水、デザインがあり、たくさんの人からの協力も得ているというのに、資金調達が出来ていない」と、ゴワンは言う。「問題は、出資者たちが非営利団体は利益を出せるとは思ってないことなんだ」。

クロフォードは彼のやり方にゴルフ協会からクレームがつくのではないかと心配しているが、一方で反論も用意している。「伝統を重んじる人々は『何故あえてこんなことを?』と、言うのだろう。しかし、プレー料金が抑えられるのをみれば、抗議の声も消えるだろう」。ゴワンによると、65,000人を抱えたアリゾナ・ゴルフ・アソシエーションはプレー料金を市場価格が120ドルのところを40ドルに抑えて運営する予定でいる。これはゴルフにとって非常に良いことだ。

Golfweek



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