2025年 ザ・ジェネシス招待

26歳で自身の財団を牽引 ガーナにゴルフを広めるオーストラリア選手が初出場

2025年 ザ・ジェネシス招待 事前 ダニー・リスト
オーストラリア国籍のダニー・リストにはガーナのルーツもある

◇米国男子◇ザ・ジェネシス招待 事前情報(12日)◇トリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)◇7765yd(パー72)

本大会は2009年以降、特別推薦枠を設けてマイノリティのゴルファーに門戸を開いてきた。黒人初のPGAツアー選手だったチャーリー・シフォードの名前を17年に冠したこの資格でことし、米ツアーの舞台を初めて踏むのはオーストラリア国籍の26歳。ダニー・リストがゴルフを始めたのは母の母国、ガーナだったという。

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米ジョージア州で生まれてすぐにアフリカで育てられ、「2歳か3歳でプラスチックのゴルフクラブをもらった」のがキャリアのはじまり。「ガーナにはゴルフ場が10カ所もない。コースの状態もかなりひどいもの。僕が育ったゴルフ場のグリーンの速さは、スティンプメーターで“2フィート”くらい(とてつもなく遅い)だった」と冗談めかすほどの環境から、英国の高校に進学しジュニアタイトルを獲得した。

奨学金で入学した米ワシントン大に1年在籍しプロ転向。PGAツアーの下部ラテンアメリカツアーやコーンフェリーツアー、父の故郷オーストラリアのツアーでも腕を磨いた。2023年に腰を疲労骨折してシーズンを棒に振りながら、昨年DPワールドツアー(欧州ツアー)の最終予選会を突破した。

2025年 ザ・ジェネシス招待 事前 ダニー・リスト
憧れのタイガー・ウッズに会いたい

プロ転向して4年目の21年には早くも自身の財団を設立し、ガーナの子どもたちにゴルフを普及させる活動を開始した。これまで40人以上のジュニアにレッスン会を実施し、用具を提供。「背丈が3フィート(約91㎝)の子どもたちが、4フィート(48インチ=約121cm)近いクラブでプレーする様子を見聞きするようになった。ゴルフへの熱と欲求がそこにはある。(財団が)大きくなるにつれて、国内の多くの団体からの支援が受けられるようになった」

今大会への推薦出場は、現在住んでいるサンディエゴでの練習中に知った。大会関係者から電話でオファーを受け快諾。「普段は知らない番号からの電話には出ないんだけど、“何かが訴えかけているよう”だった。(知らせを聞き)鳥肌が立った。特別な時間で、すぐに母に伝えたいと思った。母もこれ以上ないほど興奮していたよ」と喜んだ。

会場で「ゴルフ界で2番目に尊敬する」ロリー・マキロイ(北アイルランド)とあいさつを交わしオーラを感じた。“1番目”はもちろんタイガー・ウッズ。「小さい頃、タイガーの映像を1000時間は観た。ガーナは米国(西海岸)より時差で8時間近く進んでいるから、学校の放課後にちょうど良かったんだ」。ウッズはあいにく欠場したが、週末にはコースを訪れる予定。胸を張って握手を交わしたい。(カリフォルニア州サンディエゴ/桂川洋一)

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