「30勝という壁を破りたい」 “成熟”したマキロイの掲げる年内目標
◇米国男子◇AT&Tペブルビーチプロアマ 最終日(2日)◇ペブルビーチGL(カリフォルニア州)◇6972yd(パー72)
1打差2位から出た世界ランキング3位のロリー・マキロイ(北アイルランド)が、後続に2打差つける通算21アンダーで逆転優勝を遂げた。PGAツアーにおいて、初優勝を飾った2010年5月「クエイルホロー選手権」(現トゥルーイスト選手権)から27勝目。ポイントランクシード保持者では独走状態にいる勝利数をさらに伸ばした。
昨年は同ツアー2勝を挙げたほか、DPワールドツアー(欧州ツアー)でも2勝して年間4勝をマークした。順風満帆なシーズンに見えても、10年ぶりのメジャー優勝が懸かった「全米オープン」では、最終日の終盤1mのミスパットが響いて後退。2年連続2位という結果に終わった一戦は「一番つらかった」と悔しさは風化していない。
その反省を込めて、始めた取り組みが今週の優勝にも役立った。「呼吸法とか何でもいいんだけど、精神的に落ち着かせられる方法を考えて。それが今日は本当にうまくいった。退屈な感じに見えるかもしれないけど、あまり慌てなかった」。2バーディを先行させた前半は8番でボギーを喫したが、流れを止めることなく後半に加速した。2バーディを重ねて迎えた14番(パー5)では8m弱のパットを決めるイーグル。直後の15番(パー3)では1mにつけてさらに伸ばし、混戦を一気に抜け出した。
35歳になり、「地面が硬いコース、軟らかいコース、風の強弱、総距離の長短と、様々なコースを対処できる準備はできている」とうなずく。「年齢とともに経験を踏んで少しずつ成熟してきた。DPツアーも入れたらワールドワイドに40勝以上はしているけど、今年のどこかでPGAツアー30勝という壁を破って前進していきたい」という目標を明かした。
ツアー最多勝利数はサム・スニードとタイガー・ウッズが持つ82勝。マキロイよりも上には21人もいるが、差を詰めるカウントダウンはじわじわと進んでいる。(カリフォルニア州ペブルビーチ/石井操)
【優勝回数】
82勝 サム・スニード、タイガー・ウッズ
73勝 ジャック・ニクラス
64勝 ベン・ホーガン
62勝 アーノルド・パーマー
52勝 バイロン・ネルソン
51勝 ビリー・キャスパー
45勝 フィル・ミケルソン、ウォルター・ヘーゲン
39勝 トム・ワトソン、ケリー・ミドルコフ
38勝 ジーン・サラゼン
36勝 ロイド・マングラム
34勝 ビジェイ・シン
31勝 ジミー・デマレット
30勝 ホートン・スミス
29勝 ハリー・クーパー、ジーン・リトラー、リー・トレビノ
28勝 レオ・ディージェル、ポール・ラニアン
27勝 ロリー・マキロイ