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2024年 ウェルズファーゴ選手権
期間:05/09〜05/12 場所:クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)

まるで農作業?アレックス・ノレン が8年間続けている究極の素振り

◇米国男子◇ウェルズファーゴ選手権 2日目(10日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7558yd(パー71)

2日目のスタート前、クエイルホローのドライビングレンジで何やら不思議な動きをしている選手がいた。シャドースイングで、胸も腰も極端に開くように体を動かし、フォローにかけて、左側から背後を覗き込むぐらい顔もルックアップさせている。ゴルフスイングと思えぬほど極端な動きは、まるで畑で鍬を抱えて土を耕しているようだ。

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実際打っているときはそこまで過剰に見えない。それにしても、この動きどこかで見たことある…。そうだ、アレックス・ノレン(スウェーデン)ではないか。5、6年前、似たようなシャドースイングをやっていたことに興味を覚えて取材したことがある。まだやっていたのか!?

2024年 ウェルズファーゴ選手権 2日目 アレックス・ノレン シャドーその1=切り返しから

シャドーその1=切り返しから

2024年 ウェルズファーゴ選手権 2日目 アレックス・ノレン シャドーその2=体を開き始め

シャドーその2=体を開き始め

2024年 ウェルズファーゴ選手権 2日目 アレックス・ノレン シャドーその3=ここまで来るとあっち向いてホイ的な…

シャドーその3=ここまで来るとあっち向いてホイ的な…

しかし、よく見ると当時と微妙に違う。かつては体を開く動きに加えて手を前に出してハンドファーストの形を作った素振りだった。今はクラブを後ろに残して振り遅れのような形を作っている。いずれにしても似たような動きなことに変わりはない。これだけ同じことを長年続けられるのは並大抵ではない。よっぽどこのシャドースイングが彼にハマっているのか。かれこれ10年近くノレンのコーチを務めているという、イングランド人のマシュー・ベルシャム氏が帯同していたので真相を聞いてみた。

「彼は右サイドに倒れてクラブが寝てインサイドアタックがきつくなる傾向があるんだ。だから左サイドを積極的に回して、時間差で右わきを締めたまま右肩を回すことで、勝手にクラブがオンプレーンに下りるような狙いさ。リリースが早いと、いい位置にクラブが下りてこないんだよ」。つまりインアウトの軌道がきつくなるのを、極端な動きでもって矯正しているらしい。

「もう7、8年は同じテーマでやっているよ。彼は極端な動きをすることに何のためらいもなく、いいと思ったら誰が何と言おうとやり続けられる。新しい情報も入れないし、探したりもしてないよ」。ノレンは2018年からPGAツアーのシードを守っている。やはり愚直に同じことをやり続けられる選手は安定した成績を残せるのだろう。

それにしてもこれだけやると、逆にアウトイン軌道にもなりそうなものだが…。「GCクワッド(弾道測定器)で数字をいつも測って、軌道をチェックしている。いいときはいつもちょっとだけインサイドアウトかな。カット(アウトイン軌道)になったことは一度もないよ(笑)」。数字で裏付けもとっているわけだ。動きは同じでも、7、8年前に比べてその点は進化しているかもしれない。ペルシャムコーチは「球がつかまらないアマチュアの方には、アレックスの素振りはおススメしないよ。余計につかまらなくなっちゃうからね」とおかしそうに笑った。

先週の「CJカップバイロンネルソン」で3位に食い込むなど今は上り調子。2日目を終えて暫定33位タイのノレンは、ホールアウト後練習場に直行。残り2日での巻き返しを図るべく、お決まりのシャドースイングを繰り返していた。(ノースカロライナ州シャーロット/服部謙二郎)

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