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“歴史的”円安 米ツアーで戦う日本人プロゴルファーには恩恵か?

円相場の下落が止まらない。日本時間24日午後、外国為替市場で1ドル=155円に達した。1990年6月以来の安値が及ぼす経済的影響が懸念される一方で、ドル建てで賞金を得る米ツアーの日本人プロには“お得感”がありそうでもある。

松山英樹は2月のPGAツアー「ジェネシス招待」で約2年ぶりの優勝を飾った。賞金は400万ドルで、通算9勝のうちドル建てでも最高額。当時のレート(1ドル=150.03円/日本時間2月19日)で日本円にすると約6億12万円。こちらも1試合で獲得した賞金としてはキャリアで最も高かった。仮に未曽有の円高だった2011年の1ドル=78円のレートに当てはめると約3億1200万円で、円換算で手にする額は2倍近く違う計算だ。

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もちろん欧米ツアーの賞金額は近年、増額傾向にある(ジェネシス招待の前身大会も11年当時の優勝賞金は117万ドルだった)。男子メジャー「マスターズ」を例に挙げると、1990年大会当時の優勝賞金は22万5000ドル。2001年に100万ドル(100万8000ドル)の大台に到達し、今年はメジャー最高額の360万ドル。前年の324万ドルからの11.11%増は、米国の物価上昇率2.91%(前年比/IMFによる4月時点の推計)をはるかにしのぐ。

主な要因は、放映権料を中心とした収入増。また、欧米ツアーの賞金アップは潤沢なオイルマネーに支えられたLIVゴルフの設立(2022年)とも無縁ではない。

2020年を境にした現在の円安進行は賞金の増額トレンドと相まって、日本円で生活する選手に大きな恩恵をもたらしている。コロナ禍で20年11月に行われたマスターズの優勝賞金は207万ドルで、24年までに1.73倍の360万ドルになった。それぞれの時期のレートで円換算すると、2億1670万円(1ドル=104.69円)だったのが、5億5245万円(1ドル=153.46円)と実に2.54倍に達した。

では目下、日本人選手は獲得賞金を即座に円に換えるべきだろうか。あるマネジメント会社関係者は「選手それぞれのビジョンによっても違うはず。スポット参戦で賞金を得て日本に戻るのであれば、すぐに換金してもいいでしょう」と話す。将来的に米国に家を持ちたい、転戦生活を長く続けたい…というのであれば、ドルベースで考えるケースが多い。為替は水モノ。円に換金したところでさらに円安が進むと、再びドルで買い物をした時に高くつく。

ボーナスと言うべきか、ギフトと言うべきか、円安で得る利益は周りからすると魅力的。とはいえ、プロゴルファーは予選落ちすれば給料がゼロなのもお忘れなく。好成績が出ようが出まいが、移動費に毎日の宿代、食事代…と出費は変わらない。遠征費用の元手が円である選手も多く、ハイリターンの裏にハイリスクがちゃっかり潜んでいる。

※為替レートは全て、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのホームページ記載情報を参照。各大会の最終ラウンド終了時点(いずれも日本時間月曜日)のもの。

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