AT&Tペブルビーチプロアマ リーダーボード
2023年 AT&Tペブルビーチプロアマ
期間:02/02〜02/05 場所:ペブルビーチGL、スパイグラスヒルGC、モントレーペニンシュラCC(カリフォルニア州)
太もも直撃もらい事故からの 小平智3連続バーディ締めで「チャラ」
◇米国男子◇AT&Tペブルビーチプロアマ 2日目(3日)◇ペブルビーチGL(6972yd、パー72)、スパイグラスヒルGC(7041yd、パー72)、モントレーペニンシュラCC(6934yd、パー71)
小平智はスタートして間もなく、まさかの事態に見舞われた。10番でボギーをたたき、引き返して11番ティへ向かうためロープの外を歩いていたところ、後続組のアマチュアが大きく右へ曲げたボールが左太ももを直撃。当たる寸前になって響いた「ファー」の声に反応できるはずもなかった。
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試合で打球事故に遭ったのは初めてのこと。「あと一歩でも前を歩いていたら、頭とか胸に当たっていたかも。ゾッとします」と身震いしつつ、「一番、肉がついている太ももだったし、普段トレーニングしていて良かったです」。打撲の痛みはあっても、上がり3連続を含む7バーディ、3ボギーの「68」で通算7アンダー6位に浮上した後だから笑い飛ばせる。
予選ラウンドで使用する3コースでは最もタフなスパイグラスヒルGCでのプレーは冷たい雨にも降られて、我慢の時間帯が長かった。前半は4ホールで寄せワンのパーセーブ。1Wショットが左サイドの木に当たった18番は花道からのアプローチが2.5mを残したが、これをねじ込んで耐えた。
初日終了後の練習でショートゲームの感覚をつかんだことに加え、際どいパッティングをしっかりと決め切れていたことが大きい。昨年11月の日本ツアー「ダンロップフェニックス」で岩田寛に教えを請うた。パターの名手として知られる先輩プロは「ホントに困ってるなら…」と貴重なヒントをくれた。「もともと自分が持っている感性を磨く」というスタンスの指導がはまり、「そこから入るようになってきた」と感謝を口にする。
粘り腰は圧巻の締めくくりにつながった。7番(パー5)は残り259ydから5Wで2オンに成功し、イーグル逃しのタップインバーディ。8番と9番は風に対するセカンドのジャッジが光った。迷った末に大きめの7Iで軽く打った8番、直前にアゲンストの風が吹いて4Iに持ち替えた9番と立て続けに1mほどに絡めた。
「3連続(バーディ)は全ショット、完璧だった。(一日の)始まりが打球事故だったので、終わりくらい良くないと。これでチャラですね」。ニヤリとして太ももをさすった。(カリフォルニア州ペブルビーチ/亀山泰宏)