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世の中には「例外がある」初のマスターズ行きに挑戦した49歳

◇世界選手権シリーズ◇WGCデルテクノロジーズ・マッチプレー 4日目(26日)◇オースティンCC(テキサス州)◇7108yd(パー71)

「これまでのキャリアで、世界ランキングを気にしたことなんてなかったんだ」。オールドルーキーは笑顔で打ち明ける。世界ランクの上位64人がひしめく大会に初出場したイングランドのリチャード・ブランド。年齢はシニア入りを来年に控える49歳だ。

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彼の名前は昨年5月、欧州ツアー「ベットフレッド英国マスターズ」で一躍注目された。ツアー最年長となった48歳での初優勝。人生で478試合目に迎えた歓喜は驚きを持って、世界に発信された。

プロ転向は1996年、23歳だった。2001年に欧州の下部ツアーで初優勝を飾ってからは、レギュラーツアーとの往復を繰り返していた。25年目での悲願の1勝の後、好成績を重ね、今年1月末の「ドバイデザートクラシック」で2位(プレーオフ負け)になると、世界ランクは53位に跳ね上がり、「マスターズ」の出場権獲得のチャンスが湧いて出た。

今週の大会終了時点で50位に滑り込めば、夢のチケットが手に入る。オーガスタナショナルGCではこれまでプライベートで2回ラウンドしただけで、出場には縁がなかった。「普段は家でゴルフをほとんど見ないんだけど、マスターズは別だ。最初のショットから最後のパットまで動かずに見ている。テレビで見ていて最高の試合。自分がプレーすることになったら100万倍、最高だ」

世界ランキング60位から逆襲を狙ってティオフしたグループステージ。ブライソン・デシャンボーらとの組を見事突破し、決勝トーナメントに進出した。しかし、計算上では勝てばマスターズ行きが決まる1回戦、元世界ランク1位のダスティン・ジョンソンに3&2で敗れ、一歩届かなかった。

ただし、“あと1勝”のチャンスはこれで終わりではないかもしれない。マスターズ行きには優勝が条件になる次週「バレロテキサスオープン」(テキサス州TPCサンアントニオ)に推薦出場する可能性があるという。「今週はベストなときも、そうでないときもあった。それでも彼らと戦えたんだ。誰も49歳のルーキーがグループステージを突破できるなんて思っていなかっただろう。でも私はやったよ」

昨年の初優勝以来、ブランドの元には世界中から“道に迷っていた人々”から感謝のメッセージが届いているという。「読むと熱くなる。永遠に取っておくんだ。電話がアップデートされてもね」。この1年、試合でどこに行っても年齢についての話題を振られるようになった。「49歳で初めて、こんなこと(挑戦)をするべきじゃない。でも、いつもルールには例外あるだろう。ゴルフだけじゃなくて、他のスポーツにも」。もちろん、スポーツでない世界にも。(テキサス州オースティン/桂川洋一)

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