<プロフィール>セップ・ストラカ
2022年 ザ・ホンダクラシック
期間:02/24〜02/27 場所:PGAナショナルリゾート&スパ(フロリダ州)
ツアー初優勝で“祭典”出場決めたセップ・ストラカとはどんな選手か
◇米国男子◇ザ・ホンダクラシック 最終日(27日)◇PGAナショナルリゾート&スパ(フロリダ州)◇7158yd(パー70)
「信じられない。クレイジーだよ、本当にクレイジーだ」。大逆転でオーストリア勢として初のツアー優勝を果たしたセップ・ストラカ。ツアーでは無名だった28歳が歓喜のあまり口にした「スゴイ」「ヤバイ」という言葉に人柄がにじみ出た。
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首位のダニエル・バーガーと5打差の2位で迎えた最終日。出だしの1番でボギー先行も、「かなり腹が立ったが、今週はずっとパッティングがうまくいっていたのは分かっていた」と冷静だった。続く2番で取り返し、3番(パー5)で連続バーディ。前半を1つ伸ばして折り返すと、後半はボギーなしの3バーディを奪った。
難度の高い15番(パー3)からの3ホール、通称“ベアトラップ”を1アンダーで切り抜け、突然の雨に見舞われた最終18番はバーディで締めた。「66」でまとめて、「74」と自滅したバーガーや一時トップに立った2019年「全英」覇者のシェーン・ローリー(アイルランド)らを振り切った。
オーストリア・ウィーン出身。オーストリア人の父親とアメリカ人の母親の間に生まれた。14歳のときに家族で米ジョージア州に移住し、2011年から2016年までジョージア大学でプレーした。大学卒業後にプロに転向、2018年にオーストリア人として初めてPGAツアーのシード権を獲得した。
ツアールーキーとして参戦した2018-19シーズンの「バーバゾル選手権」で3位、翌年キャリアで初めて出場したメジャー「全米オープン」で28位に入った。昨年の東京五輪でも10位に入るなど成績を積み上げてきた。今シーズンまで4季連続でシードを維持してようやく訪れた初勝利。「そのうち実感が湧いてくると思うが、とにかくクレイジーだ」と喜びもひとしおだった。
今大会の優勝で、「生涯の夢」という4月の「マスターズ」出場権を獲得した。第2の故郷ともいえるジョージア州で行われるビッグトーナメント出場について「オーガスタのことは考えてもいなかった。本当に信じられない気持ち」と相好を崩した。
ストラカが「一年の最終目標」に掲げているツアー最終戦「ツアー選手権」もジョージア州が舞台。身長190センチ、体重100キロ超の大型選手が最後まで駆け抜ける。