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メダルに届かなかった松山英樹 期待と重圧を背負った一週間

東京五輪 男子最終日(1日)◇霞ヶ関CC東コース(埼玉県)◇男子7447yd(パー71)

ティが前に出されて305ydに設定された17番。通算15アンダーの松山英樹は、ピン手前2mのバーディチャンスにつけていた。すでに、1時間半前にスタートしたロリー・サバティーニ(スロバキア)が、「61」をたたき出して通算17アンダーでホールアウトしている。同組で回るザンダー・シャウフェレ(米国)も通算17アンダー。このバーディパットを外せば、金メダルの可能性はほぼついえる。

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次に東京でオリンピックが開催されるのは、いったいいつになるのだろう?だが、自国開催の五輪で、金メダル獲得という重い使命を背負わされた松山のバーディパットは、無情にもカップ左を抜けていった。松山ががっくりと肩を落としたその瞬間、張り詰めていた周囲の空気まで、ふっと軽くなったようだった――。

首位のシャウフェレを1打差で追って出た最終日。序盤はシャウフェレがことごとくチャンスをものにして、前半だけで4バーディ。対照的に松山は5番(パー5)で1.5mのチャンスを外し、7番(パー3)でようやく1つ獲ったものの、直後の8番(パー5)は左ラフからの脱出に2打を要してボギーとした。この時点でシャウフェレとは5打差がついた。だが、無観客ながら最終組を見守る多くの大会ボランティアたちが、無言で松山の背中を押していた。

クラブハウス前に戻ってくる9番で、松山のバーディパットはカップを一周してポトリと落ちた。勝負の振り子が微妙に揺れ動いているようだった。11番でシャウフェレは6mのバーディパットを打ち切れずにショートしたが、松山は4mをきっちり沈めて3打差。続く12番で、2打目を80センチにつけて連続バーディで2打差。シャウフェレがティショットを右ブッシュに打ち込んでトラブルに見舞われた14番(パー5)で、ついに1打差。

だが、新型コロナ感染からの復帰初戦となった松山はパッティングに不安があったことを打ち明けた。「久々の試合だし、優勝争いもなかなかしていなかったので、新たなことをやり始めて、どういう反応をするかなと思っていた。難しくなるとも思っていたし、逆にうまくいくかもしれないけど、ショットでチャンスを作らなくちゃいけないとは思っていた」。その不安が的中したのは15番。80cmのパーパットがカップをなめてボギーとなり、シャウフェレとの差は2打となった。

ラスト2ホールとなった17番で、最後のチャンスもものにすることはできなかった。「17番が終わった時点で、ほぼ(金メダルは)ないと思っていた。(18番は)バーディを獲って上がれたらと思ったけど、それがかなわず、最後はプレーオフになって良いティショットを打てたけど、セカンドはジャッジミスというか…残念な結果になりました」

5打差に広がってから一時は1打差まで迫ったが、金メダルも、銅メダルも手にすることができなかった。「結果がすべてなので、メダルが獲れなかった以上はなんの評価もないですね」と松山は首を振ったが、この戦いを知る人は別の評価をするはずだ。

病み上がりで挑まなければいけなかった不安と葛藤。ひと言も、弱音も言い訳も吐かずに、背負い続けたとてつもなく大きな期待と重圧。3年後のパリ五輪について問われると「まあ出たいかって言われたら、あまり乗り気じゃないですけどね…」と茶化したが、その言葉の続きはきっと、みんなが想像している通りだろう。(埼玉県川越市/今岡涼太)

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