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2021年 ジェネシス招待
期間:02/18〜02/21 場所:リビエラCC(カリフォルニア州)

爆発事故に車中泊 32歳の黒人ゴルファー、ウィリー・マックIIIの紆余曲折

◇米国男子◇ジェネシス招待 事前(16日)◇リビエラCC(カリフォルニア州)◇7322yd(パー71)

あらゆる場所で大会が行われるゴルフ界では、車中泊での生活を経験した選手の話を耳にすることも珍しくない。黒人初のツアーメンバーとして知られる故チャーリー・シフォードの名を冠した推薦枠で今大会に出場するウィリー・マックIIIもその一人だ。開幕2日前の記者会見でこれまでの人生を振り返った。

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ミシガン州フリントで生まれ育ち、父親の影響で6歳で初めてゴルフコースに行ったマックは、2011年にミシガンで行われたアマチュア大会で優勝を果たしてプロ転向した。あらゆるミニツアーに出場して「たぶん65勝はしている」とし、19年には黒人らゴルフにおけるマイノリティに属する選手の地位向上を目指すアドボケイトプロゴルフ協会(APGA)のツアーで最優秀選手に選ばれた。

決して順風満帆とはいえず、過去には帰宅途中の車が爆発して危うく命を落としかけた経験もある。「昨日のことのように覚えているよ。少なくともゴルフクラブを持っていればお金は稼げるだろうと思ったんだ」と煙が出ている車から飛び降りて、慌ててトランクからキャディバッグを救出した。

優勝をすれば大金とはいかないが賞金が手に入る。だが、次の大会に出場するための資金と食費に充て、1年半ほどの車中泊で身を削った。「今でもマクドナルドの(1ドルで頼める)ダラーメニューを覚えているよ」と茶目っ気を見せる一方で、「ホテルの警備員に駐車場から追い出されたこともある」とわびしい経験も口にした。「大変だったけれど、それが僕を今日まで良い人間へと作ってくれたのだと思う」

新型コロナウイルスのPCR検査で陽性反応が出たカマイユー・ジョンソンに代わって急きょ出場した3週前の「ファーマーズインシュランスオープン」以来、2度目の大舞台。電話で出場が決まったことを耳にした時は「一生分の感謝をしたよ。親父に電話したら泣き出した。家族にとって良い日になった」。

練習ラウンドで数ホール共にプレーしたというコリン・モリカワは「彼の道は彼の道。ただ歩んできた道は素晴らしいと思う。今の状況を見ると、とても刺激になる」と敬意を払った。

「父からはいつも『Never give up(諦めるな)』と言われていて、悲劇的なことが起きても決して諦めなかったんだ」というマック。諦めずに続けたからこそ今がある。

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