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「必要なのはカネじゃない」マキロイ、年間王者レースを語る

◇米国男子◇ツアー選手権 初日(22日)◇イーストレイクGC(ジョージア州)◇7346yd(パー70)

2007年に始まった米ツアーの年間レース「フェデックスカップ」は13季目。今年はポイントランキング上位30人が出場する最終戦「ツアー選手権」が、ランクに応じてスタート前の打数にハンディキャップを設ける新形式に生まれ変わった。ハンディを含めたスコアでの大会優勝者が必ず、年間王者に輝く。そのボーナスは1000万ドルから1500万ドル(約16億円)に増額された。2016年の王者で、“オピニオンリーダー”のひとりでもあるロリー・マキロイ(北アイルランド)はツアーの施策をどう見ているのか。

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ハンディキャップ戦

マキロイは前週のプレーオフシリーズ第2戦「BMW選手権」を終えて、ポイントランク5位。トップのジャスティン・トーマスに5打差の5アンダー5位からティオフした異例の試合を「心理的に違う。僕らはなかなか習慣から抜け出せない。自分のやるべきことを考えて、ベストなプレーができるようコントロールしないと」と各ラウンドのターゲット設定の重要性を強調。初日は「66」で回り、通算9アンダーの4位として、首位と1打差に詰め寄った。

昨年までは大会の優勝争いとポイントレースが同時進行し、過去4大会で勝者と年間王者が異なるケースがあった。今回のハンディキャップ戦導入はこの複雑さを解消するのが大きな理由。「いままではランキング15位くらいから30位までの選手は、ツアー選手権で優勝できても、フェデックスカップは獲れなかった。(年間王者になるためには他選手の)たくさんの条件がそろう必要があったから。15人くらいの選手に新たにチャンスが生まれた」と、ランク下位で大会を迎えた選手も、ポイントレースで“消化試合”になりにくい仕組みを評価した。

未勝利の選手が11人出場

今大会はディフェンディングチャンピオンがいない。前年5季ぶりのツアー優勝を飾ったタイガー・ウッズはポイントランク42位に終わり、前週ひと足先にシーズンを終えた。「マスターズ」王者のウッズに加え、「全英オープン」を制したシェーン・ローリー(アイルランド)も第2戦を突破できず、最終戦にメジャー王者がいないシステムに批判の声もある。

通常のスポンサー大会の優勝者はフェデックスカップポイントを500pt(一部300pt)、WGCは550pt、4大メジャーと「プレーヤーズ選手権」は600ptを獲得する。「メジャーは1000ptでもいいんじゃないか。600ptでは達成したことに見合わないと思う」というのがマキロイの私見だ。

スーパースターであるウッズの不在が影響しているのか、一部メディアの“怒り”の矛先は「ツアー選手権」出場の30人のうち、シーズンで1勝もしていない選手が11人いること、優勝者のうち22人がいないことにも向けられているようだ。今季2勝のマキロイはそんな考えに意見した。

フェデックスカップはあくまで、シーズンを通じて高いパフォーマンスを発揮した選手を讃えるレースだとし「メジャーで優勝して、他の試合は20回も予選落ちしたら、良い年だったとは言えるだろうか」。「勝っていない選手が11人も今週いるとは知らなかったけれど、彼らは継続的に良いプレーをしてチャンスを得た。普段の試合では156人もいるなかで、ひとりしか勝てない。優勝は本当に大変なこと。僕だって今年はベストプレーをした年といえるけど、勝ったのは2回だった。もっと優勝してもおかしくなかったと思うけどね。勝てるようなプレーをする選手は毎週たくさんいるんだ」

年間王者のボーナスは1000万ドル→1500万ドル

フェデックスカップは今季、ポイントランクに応じた選手へのボーナスを増額した。年間王者は500万ドル増の1500万ドル(約16億円)をゲットする。2位以下にも段階的にボーナスがあり、今大会で最下位の30位に終わっても39万5000ドル(約4207万円)が保証される。第2戦までに敗退した150位までの選手にも順位に応じた額が支払われる。

世界の男女ツアーを圧倒する高額賞金レースが、最高峰のレベルを担保しているとも言えるが、マキロイは長らくこの流れに疑問を呈してきた。「そりゃあ、10ミリオンより15ミリオンの方がイイ。でも、マスターズを勝った人が得る賞金を知ってる? 僕はよく知らない。それを考えて戦っていないからね。フェデックスカップが長く続くレガシーになるために、お金が求められているとは思わない。誰もが覚えているような、大会を勝つことへの威信(敬意)であるべきだ」

「(賞金は)人のモチベーションになる。でもそれは僕が競争したい気持ちとは違う。お金とは別の理由のためにフェデックスカップを戦っている。勝てば日曜日には1500万ドルを手にして、お金持ちになっている。でも試合に勝てたこと、いいプレーができたことへの満足感がある」「何年も言ってきた。お金が話題の中心にあるべきだとは思わない。それがファンの関心になることだとは思えないから。選手は(賞金を)気にするし、成果に対する報酬は欲しい。でも、それと競技性は同じではない」。将来的には“大金に頼らない”タイトルの魅力や価値向上を期待した。(ジョージア州アトランタ/桂川洋一)

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