アメリカに第2の“自宅”があるフェニックスでの試合は相性も抜群。復帰戦でいきなり首位発進を決めた宮里藍

タイでの自動車事故による首痛のため戦列を離れていた宮里藍が、復帰戦で驚きのスタートを切った。14日（木）にアリゾナ州のワイルドファイアGCで開幕した米国女子ツアー「RRドネリー LPGA ファウンダーズカップ」初日、1イーグル、7バーディ、ノーボギーの「63」をマーク。いきなり2位に2打差をつけて9アンダーの単独トップに立った。

午後1時前のスタート直後は、既に気温30度を超えたアリゾナのコース。だが宮里は初日、その暑さを感じさせない爽快なプレーを見せた。出だしの1番で5メートルを沈めて幸先よくバーディ。11番までに4つバーディを奪って上位進出を遂げると、終盤一気にスコアを伸ばした。

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14番（パー3）でティショットをピンそば90センチにつけてバーディとすると、続く15番（パー5）では2オンに成功。「ピンまで残り232ヤード。3番ウッドをスムーズに打っていきました。クラブ選択が良かったですね。スプーンと7番ウッドの間の距離だったんですけど、スプーンを短く持って、アグレッシブに攻めた」。3メートルのパットをきっちりと沈めてイーグルを奪取。直後からはさらに2連続バーディを決めた。

自身の今季初戦「ホンダLPGAタイランド」最終日の夜、不運にも玉突き事故に巻き込まれ、むち打ちの診断を受けた。2戦目の「HSBC女子チャンピオンズ」を急きょ欠場し、今大会は3週間ぶりの戦列復帰。「今週はとりあえず、自分のフィーリングを取り戻すことが最優先。そんなに自分に期待がなくて、練習も思ったほど出来ていなかった」という。だが「多分そういう自分に対して、あんまり期待してなかったのが良くて、力が抜けて良いラウンドが出来たのかなと思います」。ラウンド後の公式会見でも笑顔がこぼれた。

今季初勝利へ最高のスタート。しかし、ツアー通算9勝をマークしてきた経験が、油断を許さない。「初日にこれだけのスコアを出してしまうと、残り3日間、どうしても伸ばして行きたい傾向が強くなってしまう。このコースは上手くコースマネジメントできればすごくいいスコアが出るけれど、間違ったポジションにいるとすごく難しいコースになってしまう」。2日目はコースコンディションも整った午前中のプレーとなるが「やっぱり一つ、一つ確実に。フェアウェイを捕えて、アイアンの距離感をしっかり合わせていくのが大事かなと思います」と淡々とした様子でこの日を締めくくった。