メジャーでいきなりパター変更 古江彩佳は終盤ナイスパーの連続
◇女子メジャー第1戦◇シェブロン選手権 初日(24日)◇ザ・クラブatカールトンウッズ(テキサス州)◇6911yd(パー72)
スコア提出所への道すがら、プレー中止を知らせるホーンが鳴った。古江彩佳はメジャーチャンピオンぞろいの3サム、リディア・コー(ニュージーランド)、エイミー・ヤン(韓国)と思わず「ラッキー!」と声を上げる。午後6時半が近づき、18番のティショットを打つ際に雷鳴を聞いた。順延が決まる直前のホールアウトがうれしい。
13人の日本勢では最も遅い、午後1時21分スタートによる「71」は“ラッキー”とは程遠い、古江の技術が詰まったラウンドだった。「チャンスが多くなくて結構しんどかった」と、後半1番までに1オーバーと苦しみながら、3番(パー3)でピン左4mのチャンスを生かしてバーディを奪い、上昇ムードを漂わせた。
続く4番(パー5)。3Wでの2打目で、左右に木がそびえるフェアウェイの狭いエリアを事もなげにとらえ、3打目のポジションでキャディとじっくり思案。風の読み、ジャッジに時間をかけ、ロフト54度のウェッジと迷った末に50度でピン横1.5mにつけて連続バーディにした。
終盤はナイスパーを続けた。5番はグリーン左手前のバンカーから、6番はグリーン左サイド、7番(パー3)は奥からウェッジで寄せた後、それぞれ2m、3m、2mをカップに流し込んでボギーを回避した。実はこの日、パターを新調。おなじみのテーラーメイド「スパイダー」シリーズから「ツアーT7.0」というモデルを握った。理由を笑顔で「気分」と明かす。
「(特徴が)大きく変わったかと言うと、変わっていないんです。新しいもので良いものがあるので、自分に合えば替えてもいいかなと」。メジャーでも「いつもの試合と同じように」と意気込み過ぎないのがスタイル。1アンダー暫定24位タイ、首位との6打差のスタートにも焦りはない。(テキサス州ザ・ウッドランズ/桂川洋一)