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涙を糧に古江彩佳が手にした日本人初のトロフィ「重めです。軽くない」

◇米国女子◇CMEグループ ツアー選手権 最終日(24日)◇ティブロンGC ゴールドコース(フロリダ州)◇6700yd(パー72)

「今日の一日を振り返っていかがでしたか―」。古江彩佳がプロになってから初めて試合会場で涙を流したのは、その質問に回答しようと話し始めてすぐのことだった。

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東京五輪の日本代表選出前の最後の試合だった2021年6月「アース・モンダミンカップ」最終日、3番手から出場枠に入るのに絶対条件として優勝が求められていたなかで11位。初日こそ2打差で発進したものの、五輪を考えて「自分のプレーができなかった」ことに涙した。

そんな悔し涙を流してから3年5カ月。2024年シーズン最終戦に臨んだ古江は「最後までプレッシャーに負けずにできた」と満面の笑みで試合を振り返った。まだ日本人選手では誰も獲得したことがない年間の平均ストロークトップの選手に贈られる「ベアトロフィ」を目指し、開幕前から「60台で回ること」を自分に言い聞かせるように強調。2週前の「ロッテ選手権」終了後に0.01pt差で逆転され、追いかける立場として定めた目標だった。

初日から有言実行の「69」「69」「69」「68」と4日間全て60台でプレー。「今までオリンピックもだけど、プレッシャーがかかっている時に限って自分から崩しちゃうことが多かった。今回は絶対にそういうことをやりたくないって思って。久しぶりに4日間良いラウンドで、自分らしく落ち着いてできた」。試合を重ね、一打に集中するように鍛えたマインドと技術を発揮した。

重圧に左右されずにプレーできたのは日本勢4人目となる女子メジャー制覇となった7月「アムンディ エビアン選手権」での経験が大きかったという。

「やっぱり、あそこで優勝しきれたのはある」。エビアンは3日目以外、いずれも「65」で回っており、「ビッグスコアを出せたのも、この賞にも繋がっていると思う」。味わった悔しさを糧にして手にしたトロフィは「重めです。軽くない」と頬を緩ませた。(フロリダ州ネープルズ/石井操)

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