2026年 BMW女子選手権

吉田優利の“タイパ”的な人生観「私は『1分』を『58秒』で生きている」

2026年 BMW女子選手権 4日目 吉田優利
米ツアー初優勝を手にした吉田優利の人生観は”タイパ”(Chung Sung-Jun/Getty Images)

◇米国女子◇BMW女子選手権 最終日(25日)◇パインビーチGL(韓国)◇6784yd(パー72)

8月「FM選手権」の練習日のことだった。TPCボストン(マサチューセッツ州)でコースチェックを終えた吉田優利は「これ、外せますかね?」と言いながら、ギャラリー用に設けられた柵のつなぎ目を外して内側に抜けると、すぐに元に戻して、足早にクラブハウスへ帰っていった。柵に沿って回り込むことももちろん可能なのだが、そうせず最短ルートを選んだ。それは、常日頃から意識していること。「私は『1分』を『58秒』で生きているので」。どこか冗談めかしているようで、本気のポリシーだったりする。

米ツアーに挑戦してからゴルフとの向き合い方は変わった。日本ツアー時代の自分よりもエネルギーを注がなければ、生き残っていくこともままならない厳しい世界。一方、ゴルフ最優先で生活しながら、それ以外の全てを犠牲にしようとも思っていない。

「人生、時間が足りないと思っているので。ゴルフをやりたいし、ゴルフじゃないこともやりたいし、“詰め詰め”で生きていかないと、寝る時間も少なくなっちゃう」。シーズン中の練習日は早朝からコースに出て、ラウンド後にみっちり練習も行い、昼過ぎには会場から引き揚げるというスケジュールが珍しくない。午後、コース外での時間を有意義に過ごすためのものだ。

2026年 BMW女子選手権 4日目 吉田優利
2勝目への旅路につく(Chung Sung-Jun/Getty Images)

中国からの連戦となった今週、多くの選手は仁川空港から5時間を超える“バス旅”を強いられた。前年に経験していた吉田は仁川ではなく釜山に飛び、少しでも南にある空港から大型のハイヤーを手配。車に乗っている時間を1時間半ほど短縮した。効率的な移動は時間の節約につながり、濃密な練習と十分な休養を両立する上でも欠かせない要素。マネジャーら帯同スタッフにも、普段から予定は早め早めに伝えてしっかりと固めておく。

クラブハウスからBMWの高級車両でメディアセンターまで送迎され、英語での優勝会見を終えた時には思考も切り替わっていた。「移動も成功するかしないか。あした、(次戦の)マレーシアへの移動を成功させて、しっかり身体を休めることを成功させてっていうふうに毎週毎週が勝負なので」。再び仁川ではなく釜山から、今度はクアラルンプールへの旅路。米ツアー2勝目は、充実した人生は“タイパ”を突き詰めた先にある。(韓国・ヘナム郡/亀山泰宏)

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