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夢を乗せたアプローチに熱狂 引退発表のレキシー・トンプソンがプレーオフ惜敗

◇米国女子◇マイヤーLPGAクラシック for Simply Give 最終日(16日)◇ブライズフィールドCC(ミシガン州)◇6556yd(パー72)

誰もが最高の幕切れを夢見た。最終18番(パー5)、レキシー・トンプソンのグリーン奥からのアプローチはフックラインに乗って転がり、カップを目の前にして止まった。長身を折って悔しがった本人だけでなく、大ギャラリーも頭を抱えて叫んだ。2週前に今季限りでフルタイムのプレーを終えると発表したばかり。5年ぶりの優勝に、あと数センチ届かなかった。

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バーディ締めでもつれ込んだリリア・ヴグレース・キム(オーストラリア)との三つどもえのプレーオフに惜敗。2度繰り返した18番はバーディで食い下がったが、3ホール目の4番(パー5)でティショットを左に曲げ、バーディを奪えなかった。

それでも、充実感が上回る。「素晴らしい一日だった。ゴルフもそうだけど、素晴らしいファンの前でプレーできた。寒気がするようなあれだけの歓声は、(欧州選抜との対抗戦)『ソルハイムカップ』でもない限り聞いたことがない。毎回寒気がしたわ。ほかの選手も素晴らしいゴルフをしたし、(勝った)リリアも素晴らしいプレーをした」

最大の見せ場となった正規の18番、55度のウェッジで見せたアプローチは、スプリンクラーが邪魔になって選んだ苦肉の策だった。そもそもアプローチを苦手としており、プレーオフの18番は2回とも奥からの寄せにパターを使っている。「(優勝には)チップインしなければならないことは分かっていた。間違いなく入ると思ったし、素晴らしいチップだったから文句を言うつもりもない。バーディでプレーオフに進めただけでも、素晴らしい気分」とほほ笑んだ。

3日目のアウトでマークしたハーフ「29」、5打差でのスタートからサンデーバックナインで見せた4バーディの猛チャージ…。「大きな意味がある。フルタイムのプロゴルフから遠ざかることを発表したからには、ことしをしっかりと締めくくりたい。この後も、まだ10試合ほどあるから」。燃え尽きるのは、もう少し先だ。(ミシガン州ベルモント/亀山泰宏)

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