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弟思いの河本結 メジャーの反省と賞金がうれしい理由

◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 最終日(2日)◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇6583yd(パー70)

3年ぶりに帰ってきた米国で、メジャーのゴルフを堪能した。予選会を通過してきた甲斐(かい)は確かにあった。2021年シーズン半ばで米ツアーから撤退した河本結は、同年「ANAインスピレーション」(現シェブロン選手権)以来の大舞台で11オーバー39位。「不完全燃焼…じゃないけど、すごく悔しい」。その思いこそが日本では得難い収穫だ。

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予選2日間で「71」を並べ、13位で進んだ決勝ラウンドで後退した。「一番、ショットも思ったところに飛ぶ回数が多かった」という最終日に「76」。グリーン左サイドに立つピンは持ち前のフェードボールでは攻め切れず、難解なパットを残すシーンが多かった。「ドローで狙ったりしなきゃいけない、さらにレベルの高いものを身に付けないといけない」。技術的な課題を改めて痛感させられた。

トレードマークのリボンを風になびかせ、ラウンド中にギャラリーの“おねだり”に応じてセルフィーに収まるなど、旺盛なサービス精神でロープサイドを賑わせた。「ラウンド中に手を振ったり、いつも日本でしていることで『応援したくなった』と言って、付いてきてくれるアメリカのファンの方もいた。すごくうれしかった」と振り返る。「来年またリベンジしたい気持ちも出てきた。さらにゴルフをやりたい、もっと強くなりたい」。心から楽しめたメジャーの雰囲気も、次へのモチベーションだ。

ホッとしていることが別でひとつ。4万4896ドル(約706万円)を稼ぎ、「弟の分の遠征費は稼げたかなと思う」。2週後の「全米オープン」(ノースカロライナ州パインハーストNo.2)で実弟の河本力がメジャーに初挑戦。「宿泊が1週間で200万円以上するらしくて。それは稼いであげたいと思っていた。心置きなく戦ってほしい」。おねえちゃんは優しい。

もうメッセージを送ってある。「今あるリキのゴルフスタイルで行ってきて」。日本ツアー屈指のパワーばかりが目立つようで、弟のゴルフの感性を誰よりも知っている。「(米国には)新しい刺激がいろいろある。ほかの選手が『ショット練習はこうしている。パット練習はこうしている』とか…。でも自分もそれをすぐに取り入れたり、新しいことをしたりするのではなく、今持っている技術で戦って、学べばいいと思う」。突貫工事や付け焼き刃の小細工は無用。力の限り、ぶつかってこい!(ペンシルベニア州ランカスター/桂川洋一)

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