石川「楽しみ」松山「粘り強く」2人の週末は?
<ゴルフ界のアトムは♪ラララ・・・とはいかないけれど>
2014/01/27 08:00
本家本元なら自在に空を飛べるが、こちらのアトムはそうはいかない。ゴルフ界の“アトム”が苦手なものは、飛行機。今季の出場優先順位を決める昨年末のファイナルQTで堂々のランク1位、重永亜斗夢は「いや~あれはほんっとダメですね・・・」。全国津々浦々を飛び回る職業を選んだ青年にとっては非常に痛い話だが、いつまでたっても克服出来ない。
同じ熊本県出身で、同い年の永野竜太郎も、たまに一緒の遠征のたびに呆れかえっているという。「ちょっとでも機体が揺れたら僕がいちいちびくびくしてしまうので・・・」。重永が、飛行機の揺れに合わせて青い顔で腰を浮かせるたびに、永野はこみ上げる笑いを堪えつつ、「お前、ほんっとにダメなんだな」。
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アトムはジェットの限り、大空を果敢に飛び回るはずだがこちらのアトムは時間が許す限り、陸路を選ぶ。「北海道も、電車で行きたいくらいですよ」。どうしても、空路を選ぶしかないときは、他の先輩プロとなるべく予定を合わせるという。なぜなら、「トップで活躍している人は、強烈な強運の持ち主だと思っているので」。それだからこそ、試合でいくつも勝ち星をあげたり、凡人には信じられないようなスーパープレーも飛び出す。そんな選手たちと旅をすれば、一説には20万分の一とも言われる飛行機事故にも遭うわけがない。「それも、出来るだけたくさん乗っている便なら怖いものなし!」。
そんなゲン担ぎを本気で語る様子は本人は大まじめでも、はたから見ていると素顔の一端を見るようで、一気に親近感も沸いてくる。
25歳にして、すでに子持ちの若手ホープは、このほどジャパンゴルフツアーの選手会理事で、ジュニア育成のスナッグゴルフ部門を担当することになり、がぜん張り切っている。というのも、たとえばスナッグの大会や寄贈式など、1日でも“出張”すれば、選手に日当が出る場合もあり「僕のような立場の選手にとってはたとえわずかでも、おむつ代がいただけるのは非常にありがたい」。
ゴルフ界のアトムは一昨年前に、出来ちゃった婚を決意した一家の大黒柱でもある。飛行機嫌いのアトム。ラララ空を超えて・・・とは、いかないかもしれないが、そのかわりにしっかりと地に足つけて今年こそ、なりふり構わず悲願の初シード入りを狙っていく。