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<微妙な師弟関係・・・・・・!? 来年もブレーク必至の“谷口軍団”>

2011/12/26 10:22

2011年のジャパンゴルフツアーで、もっともブレークしたうちのひとつが“谷口軍団”。その名の通り、闘将(?!)谷口徹が率いる師弟グループである。

デビュー当時は、「誰とも一緒に行動しないし、そういうのが好きでもなかった。優勝する一瞬が好きで、そのためだけにやっていた」と、どちらかというと、一匹狼を貫いた。

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しかし40代を前にしたころから、積極的に若手に声をかけて歩くようになったのは、「飛距離が出る子と一緒にやれば、俺も近づこうと思って頑張れるから」。もっとも、誰にでも、というわけではない。その“選考基準”はこれは、と思う才能を持っているのはもちろんのこと、「聞く耳を持っている子。やる気があって素直な子」。そんな谷口のお眼鏡にかなった選手は、松村道央や今季初Vの諸藤将次、杉並学院高校1年生のスーパーアマチュア、伊藤誠道くんなど。

練習ラウンドや、オフ合宿に積極的に誘う。技術論はもちろん、時には辛辣な言葉で精神論も説く。それらをスポンジのように、みるみる吸い上げる力があるからこそ、それぞれがみな、次々と結果を残していくのは間違いないのだが、ある日、その師匠がちょっぴり寂しそうにこうもらしたことがあった。

「最近、あの子は俺の話を聞いているようで、聞いてない」。

“あの子”とは、聞けば一番弟子の武藤俊憲のことであった。もしや、ここにきて師弟関係に亀裂が・・・・・・!?と、ひそかに心配していた矢先に、武藤が11月のダンロップフェニックスで、ツアー通算4勝目をあげた。その祝福の輪の中心に、ちゃんと師匠もいたから少し安心したが、ずっと谷口の言葉が気になっていた。実際のところはどうなのか・・・。シーズン最後に張本人に思い切ってぶつけてみた。

「ええっ、谷口さん、そんなこと言ってました?!」と武藤は驚いたように言いながら「違うんですよ!」と、さっそく弁明した。「谷口さんの言ってることは、すごく分かるし、実際に自分の中に取り入れる努力はしているんです」と、ただしその内容はあえて極秘で、「でもじゃあいざとなると、それを体現するすべが見つからない。谷口さんの言っていることは高度すぎて」と苦笑する。

「どうすれば、谷口さんの言うとおりに出来るのか。その方法も分かってる。分かっちゃいるけど、実際の動きとが一致しない。どうすれば言われたとおりにスイングに取り込めるのか・・・。そのすりあわせに今はものすごく手間取っているという段階で」と、頭を掻いた。

「なので、谷口さんの話を聞いていないというわけでは決してないんですよ!!」と強調した武藤は、「だから、お前は弟子ちゃうわ~って、谷口さんに言われるんですかねえ」と、苦笑した。「“お前なんか、弟子に取った覚えはない”と言うから、“じゃあ、ライバルでいいですか”と聞いたら“あほか~”って言われる。“お前の生涯獲得賞金はなんぼや”と。結局行き着くところはそこなんですね」と、笑った。

谷口の同13億円に対して、武藤は3億円。「やっと差が10億くらいになったんです」と、武藤はメゲていない。「だいぶありますけど、谷口さんの歳まで10年ある。1年1億円をきちっと積み重ねていって、最後に谷口さんに“どうや~!”と言いたい」。師弟の切磋琢磨に、今後も谷口軍団はますます隆盛の兆しである。

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