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拡大する熱中症の被害・・・そのつらさをプロゴルファーが証言

各地で被害が伝えられている熱中症だが、ジャパンゴルフツアーも例外ではない。日頃から鍛え上げた男たちも、その症状には勝てなかった。

いよいよ後半戦に突入した2週前の関西オープンでも、酷暑のラウンドに体調不良を訴える選手が何人か出たが、中でも症状がひどかったのが、5月の日本プロでツアー初優勝をあげた河井博大だった。

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会場の小野ゴルフ倶楽部は、プロ転向してすぐの3年間を過ごした思い出のコースだった。古い知人や恩人も多く、なおさら気合が入っていた。その気負いが症状を加速させたかもしれない。

大会初日は気温が30度を大幅に上回り、しかも蒸していた。河井は正午過ぎのスタートに、ウォーミングアップの練習場で、すでに異変を感じていた。

「これまでにかいたことがないくらい、大量の汗をかいて・・・。汗ってこんなに出るものなのか、と。本当に信じられないほど汗が出たんです。そこできっちり水分補給していたら良かったが、甘く見ていた。まさかあんなにひどいことになるとは」と、唇を噛む。

今年40歳。青春時代は、「スポーツ時に水を飲むと脇腹が痛くなる」とか、「体に良くない」と言い聞かされて育った世代でもあり、本人も「もともと、あまり水分を摂るタイプではなかった」という。

「これはやばい」と思ったときには遅かった。足はだんだん重くなるし、「目の周りがちかちかして」。だんだん首の後ろに鈍痛がし始めた。

意識はもうろうとして、「自分では気付いていなかったのですが、あとで周りに聞いたら足はふらついているし、歩く速度もいつもよりかなり遅くなっていたらしい」という。

棄権を決意したのは後半の14番を終えてすぐ。
「キャディと、これはまずい、と」。
スタッフが迎えに行った乗用カートに乗って、すぐに救護所に向かった河井はそのまま約2時間も、簡易ベッドから起き上がれなかった。
その日は、大事を取って宿にとどまり、翌朝に自宅に帰ったそうだが、取り返しのつかないことにならずに済んで、本当に良かった。

「ご心配をおかけして、スミマセンでした・・・」。
翌週の「VanaH杯KBCオーガスタ」では元気な姿を見せた河井。
「でも、今週も暑いので、ちょっと怖いです」と、181センチの長身を縮こませた。
「こまめに水分を摂りながら、回りたいと思います」。
水曜日のプロアマ戦は、首の後ろにひんやり冷やしたタオルを当てながら、神妙に語っていた。

真夏のトーナメントはギャラリーのみなさんも、観戦中の熱中症にくれぐれもお気をつけください。

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