ツアープレーヤーたちの恐怖の時間<小山内護>
2005/10/03 09:00
小山内にとって、朝は恐怖の時間。早いスタートの日はなおさらだ。若いころなら、起きてすぐにクラブを振り回したってビクともしなかった体。加齢とともに硬くなり、動かしづらくなっていく。昨年、そのおかげで腰を痛めてからますます慎重になった。いまでは、3時間前から起きて入念なストレッチをしてからでないと、怖くてスイングできなくなった。だから、たとえば7時半にスタートする日の起床時間は4時半。朝の弱い小山内にはこれがこたえる。布団をかぶって寝ているから、どんなにけたたましい目覚まし時計もモーニングコールも効果なし。一人ではとても、起きられそうにないからキャディさんに頼っている。
前夜のうちに預けておいた鍵で、部屋に乗り込んできたキャディさんはまずカーテン全開。次に布団を引き剥がされ、耳元で叫ばれる。「朝だ、起きろ~!!!」。意識は朦朧としたまま、仕方なくベッドから這いつくばってまずシャワー。それでも完全に目は覚めていないが、キャディさんは容赦ない。風呂から上がるなり、上に乗っかられて恐怖のストレッチタイムが始まる。あまりの痛みに逃れようとするが、がっちり押さえつけられて身動きが取れない。ひたすら耐えるしかない・・・。
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約1時間の“拷問”が終わって、はじめて身も心もすっきり爽快。ようやく小山内の1日が始まるのだ。「しっかりストレッチできた日ほど、体がよく動く。どんなに早いスタートでも、思いっきり振っていけるよ!!」。現在、ドライビングディスタンス1位。早くも2位に4.66ヤード差つけて、2年連続ドライビング王の座はほぼ間違いない。ツアーが誇る豪快な飛距離は、こうして作られている。
トーナメントで起こったルール裁定の実例
<2005アコムインターナショナル>
4日目、12番ホール(パー4)グリーンで競技委員要請があった。台風の影響で強風の中での最終ラウンドとなり心配されたグリーン上で球が動いたとのことであった。トーナメントリーダーのプレーヤーAはセカンドパットを打とうとアドレスに入った後、風によって球が少し動いたと申告した。
競技委員の裁定は、「アドレスしたあとで動いた球」の処置として1ペナルティーでその球をリプレースするよう伝えた。規則18-2b
プレーヤーAはペナルティーをものともせずに見事優勝した。読者の皆さん、風の強い日のプレーではアドレスに入るタイミングには十分注意して下さい。