ツアープレーヤーたちの世界進出計画<深堀圭一郎>
2005/08/22 09:00
深堀圭一郎の悩みは、「疲れてくると筋肉が硬くなって、それがスイングに影響してしまうこと」。それを解消するために、日ごろから実にさまざまな努力を続けている。
食事療法もそのひとつで、昨年からマネージャーと取り決めたのが「ジャンクフード禁止令」。特にオフのアメリカ合宿ではそれを強化し、つい手が伸びがちなハンバーガー類はグっとこらえ、大好きなフレンチフライも「1週間、10本限定」などと、細かに約束ごとを決めて取り組んだという。
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外食にも気を配り、知り合いの中華料理屋に行くときは、「マイ油」を持参。体に良いとされているゴマ油やなたね油を店に持ち込んで、それで調理してもらうという懲りようで、それらの成果は先のサン・クロレラ クラシックでの約2年ぶりの優勝で示されることとなったのだった。
かねてより米ツアー参戦を目標にしてきた深堀も、大親友の丸山茂樹のように、現地に拠点を置いて戦う方法を目指していたが、最近になって考え方が変わってきたようだ。今年、初めて米国以外で行われた全米オープンの最終予選会。5月に兵庫県の小野ゴルフ倶楽部で行われた大会で、親友のS.K.ホとプレーオフの末に切符を手に入れて乗り込んだメジャー戦で、2日目に10位につける活躍をみせた。
「僕にも、入る隙間がある」と自信がついたのと同時に今回のように、日本ツアーを拠点にスポット参戦で海外に挑む形も悪くない、と考えるようになったという。「もっとメジャーに出る回数も増やしていきながら、海外で得たものを日本に持ち帰って披露する。それも応援してくれる人たちへの恩返しのひとつの形ではないか、と思うようになった」と深堀は言う。
常駐しない分、普段から外国人キャディを起用したり、海外遠征の際には、ほかのプレーヤーに積極的に話しかけたりすることで、少しずつ慣らしていくというやり方を取り入れている。そのときに、海外の選手たちからよく質問されるのが、年齢のことだという。
「どうも向こうの選手には、童顔の僕が年齢不詳みたいで(笑)。歳を言ってもたいがい『うそだろ!?』って、全然信じてくれないんですよ。でも、逆にそれが結構なインパクトになっているようで、次に会ったときは『フカポリ!』とか『フカボラ!』とか、うまく発音できなくても再会を喜んでくれたりしてね。そうやってだんだん環境に溶け込んでいくうちに、最近では海外でも居心地良くやれるようになってきた気がするんですよ」。
自分なりのやり方で、こつこつと着実に世界進出への道を歩んでいる深堀。現在、賞金ランク2位。今年、自身初の賞金王の座につけば、さらにチャンスは開かれるはずだ。