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ツアープレーヤーたちの強さの秘訣<石川遼>

分かっているようで、まだ本当の凄さを十分に分かっていなかったのかもしれない。18歳の賞金王の話しだ。コースを離れた場所での出来事だったので、今回はあえて“遼クン”と呼ばせていただく。

今月8日からタイで行われている欧州とアジアの対抗戦「ザ・ロイヤル・トロフィ」でのことだ。バンコク入りした火曜日、普段着姿で夕食に出かける遼クンとばったり出くわした。「あけましておめでとうございます」などと、ひとしきり新年の挨拶を交わしたあとに、早々の海外遠征をねぎらうつもりで筆者は言った。「いやあ、やっぱりこっちは暑いねえ。暑い中、大変だけれど今年も1週間よろしくね」。と、そのとき遼くんの目がカチリと光ったような感じがしたのは、気のせいではないと思う。

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すかさずこう言ったのだ。「いえ、日本が寒いときに、こんな良い季候の中でゴルフをやらせてもらえるのは幸せですよ」。やんわりとした口調の中に、アジア代表としての誇りと自覚のようなものが伺えた。しかも、とっても大人びた言い方になんだか妙に圧倒されて、こちらは二の句が継げなくなってしまった。

ちょっぴり恥ずかしかったのもある。寒けりゃ寒い、暑けりゃ暑いと、まるで口癖のように、意味もなくつい言葉に出してしまう自分……。まして年齢を重ねるほどに、その傾向が顕著になってきているような気がして、内心大いに反省させられたのだ。そして今さらではあるが、そうやって常にプラスの発想で物事を捉えられることに改めて、18歳にして頂点に立った要因を垣間見た気がして、すっかり感心させられてしまったのだ。

本人には「僕は当たり前の事を言っただけなのにどうしてそこまで??」と、ますます笑われてしまいそうだが遼クン、世の大多数の大人たち(いや、ひょっとしたら小生だけかもしれないが…汗)は、そうやって愚にもつかないことを繰り返し言いながら、日々を無為にやり過ごしているものなんですヨ(トホホ……)。

それはさておき、18歳が発信するそんなプラスのパワーが今年も、また随所に発揮されるに違いないと確信させられる瞬間であった。今年は選手会の副会長にも史上最年少で就任し、新会長の深堀圭一郎を芯から支えてくれることだろう。

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