ツアープレーヤーたちの小さな悩み<武藤俊憲>
2006/08/07 12:00
初のメジャー戦、全英オープンは残念ながら予選落ちしたが、「せっかくの機会だから」と決勝ラウンドも残ってゲームを観戦し、5位タイにつけた谷原秀人と同じ便に乗って帰国した武藤俊憲。
イギリスのヒースロー空港で、屈辱的な経験をした。チェックインして「免税店で買い物をしたい」という谷原と一緒にとりあえずラウンジに寄ってから別行動。「面倒くさいから」と、武藤はその場に残ったときのことだ。
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ひとりの日本人スタッフが近づいてきて、遠慮がちに聞かれた。
「あの・・・さっき一緒にいらっしゃったのは谷原プロですよね?」
「そうですけど…」
「どちらに行かれたのですか?」
「買い物に行っちゃいましたよ」と、答えるとあきらかに残念そうな表情になった。しばらく考え込んでいたが、思い切ったように切り出された。
「あなたもプロですよね?」
「そうですけど・・・」
「サインいただけますか」
ショックだったのは、快く応じてペンを走らせて色紙を渡したときの反応だった。手に持ったまま懸命に、その字を解読しようと努力している様子が伺えたのだ。
いたたまれなくなった武藤は、思わず名乗っていた。
「あの・・・僕、武藤俊憲といいます」
途端に目を輝かせ、「あ・・・あなたも全英に出ていた方ですね!」と納得してくれたが、本人には寂しい思いばかりが残ったという。
「いっつも僕そうなんですよ。日本ツアーでも、名前を呼ばれた試しがなくて・・・」と顔をしかめた。5月のマンシングウェアオープンKSBカップで初優勝をあげたあとも、たびたび優勝争いに絡み、日本予選最終戦・ミズノオープンでは、逆転でメジャー切符も手に入れた。
「けっこう、報道していただいたのに、それでも認知度が低くって・・・どうしたら、みなさんに覚えてもらえるんスかね・・・」と、首をかしげていた武藤。
「・・・とにかく、これからももっともっともっと、上位争いに絡んでいくしかないってことか・・・」
ひとりブツブツと、策を練っている様子がなんだかとても健気だった。
・・・みなさん、この機会に武藤の顔と名前を覚えてぜひ、コースでも名指しでの応援をよろしくお願いします!
トーナメントで起こったルール裁定の実例
<ザ・ゴルフトーナメントin御前崎2006>
2日目、15番ホール(パー4)のグリーンサイドで競技委員要請がある。グリーン左の浅いラフにあった球をボランティアマーカーの方が誤って踏んでしまい球のライが変えられた。
競技委員の裁定は、はじめの球の位置とライが明確であることから、はじめの球のあったところからホールに近づかず1クラブレングス以内ではじめのライに最も近いライにプレースさせ、無罰でプレーするよう伝えた。規則18-1、20-3b(ⅰ)
読者の皆さん、このケースで箇所が確定できない場合はドロップとなります。