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プレーヤーズラウンジ

ツアープレーヤーたちの伝説<片山晋呉>

2009/01/12 09:12

5度目の賞金王に輝いた昨年は、史上7人目の“永久シード入り”を果たしたが、それはもう20数年前から決まっていたことだった。ゴルフ日記なるものを書き始めたのは小学生のころまでさかのぼる。

ノートに大きな字でこう書いた。

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「35歳で25勝」。

ほかにも「プロ3年目に優勝」とか、「5年目で賞金王」とか、「30歳でフェラーリに乗れる選手になる」とか…。いわば未来の自分に宛てたメッセージは年齢ごとに細かく区切られ、しかも具体的な内容が綴られている。

「そのほとんどを実現してきた」と、片山は言う。

志は大きくても、実際にそれを成し遂げられる人間はそれほど多くない。本人もプロ転向直後は6試合連続の予選落ちを味わうなど、「このままではプロとして食っていけない」と、絶望したことが何度もあったという。

しかし一念発起でコーチの江連忠の門を叩き、3年がかりでスイング改造に取り組み、みごと初優勝を飾り、本人の予言どおりに5年で賞金王の座についた。

身長171センチとスポーツ選手としては、けして恵まれているとはいえない身体に加え、デビュー直後には胸椎のヘルニアというハンディを抱えながら、まさに死にものぐるいで頂点まで上り詰めた。

中嶋常幸は、片山を評して「創意工夫の天才」と言った。江連は「シンゴはこちらから課題を与えたら、5時間でも10時間でも平気でやり続ける。あの執念は誰も真似できない」と言った。

本人は、「爪の先から産毛まで、手のひらのマメもこの手相までも。僕のすべての細胞が上手くなりたいと思ってやっているんですよ」と言った。

「99%の準備をして、あとは1%の運。僕は弱いから。そこまで思ってやらないと、強い人にやられてしまうから」とも。

そうやって築き上げた“片山時代”は、まだ当分崩れそうにない。思ったことをすぐに書き留める“メモ魔”は相変らずだ。毎トーナメントでテーマを決めて、それをバッグにしまい、弱気になってしまいそうな時や、ここぞというときに取り出して眺めたりする。

これまで夢という夢をことごとく達成してきた片山は今年、日記の1ページ目に何と書き留めたのだろう。2009年に綴られる“シンゴ伝説”から今年も目が離せない。

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