ツアープレーヤーたちの婿選び!?<鈴木亨>
2007/10/08 10:30
石川遼くんが出場するトーナメントは、迎え入れるツアープレーヤーたちも落ち着かない。やっぱり、一番気になるのは、誰が同じ組で回るのかということ。実際に、どんなプレーをするのか。プロとして、この目で確かめてみたい。しかしその一方で、一緒に回りたくないという思いもある。
いま、日本でもっとも有名な16歳との直接対決。しかも、大ギャラリーがついて歩くことは必至だ。
公衆の面前で、スコアで負けたらかっこ悪いし・・・。
そんな複雑な思いが交錯するのだ。
しかし先月のコカ・コーラ東海クラシック3日目。同じ組で回ることになった鈴木亨が、遼くんを観察する目はほかの選手たちのそれとは、少し違っていた。
その日のスコアは77。遼くんにも2ストローク差で敗れて「戦闘モードに入れなかった」と、苦笑いでこぼしたのにはわけがある。
13歳になる長女・愛理ちゃんと遼くんは「3歳しか変わらないから」。本人は、25歳差の41歳。同じ土俵で戦うゴルファーとして・・・というよりも、まるで父親の視線になってしまったからだ。
「娘の婿にどうだろう…なんてね(笑)」。
その日はあいにくの雨模様。もともとタフな三好で、高校1年生にはいっそう過酷なラウンドとなったが、最終18番で長いバーディパットを決めてきっちりと魅せるあたりは「やはり、そういう星の下に生まれたんだなと・・・」感心しつつ、鈴木が気にかかるのはもっと別のことだった。
ハキハキとした挨拶、常に人の目を見て話せる折り目正しさは「お父さんの教育がよかったんでしょう」と、太鼓判を押さずにはいられない。礼儀正しさという点からいえば100点満点。
そのほかに、父親としてリサーチすべき重要事はやはり性格や素行といったところか。
「こればっかりは、一度ラウンドしただけじゃ分からないから。今度、同組で回ることになったら、ちゃんと話して見極めてみる」と大張り切りだ。
実は、愛理ちゃんはモーニング娘。の妹分に当たる、ハロプロ・キッズのアイドルメンバーの一人で、知る人ぞ知る有名人。遼くんも、愛理ちゃんのことを知ってくれているだろうか。本当は、そのあたりも聞いてみたかったそうだが遼くんの真剣なプレーぶりに圧倒されて、今回はそこまで踏み込んで話ができなかった。「それも次回に」と、やや興奮気味に話していた鈴木が、ふと我に返った。
「でもさあ・・・」と、にわかにトーンダウン。
「よく考えたら、いくら俺がそんなこと言ったって、本人同士が気に入らなくちゃあ意味ないもんねえ・・・?!」。慌てて照れ笑いでごまかしたものの、父のひそかな“観察”はしばらく続きそうである。