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プレーヤーズラウンジ

ツアープレーヤーたちの珍騒動<パインバレー北京オープン>

2008/05/19 10:25

先のパインバレー北京オープンで、前代未聞の経験をした。水曜日のプロアマ戦は、確かにスタート前のセレモニーが長引いて時間が押した上に、42組のフルショットガンスタート。全18ホールからいっせいにティオフするスタイルにも、確かに無理はあった。

「それにしても、こんなことは初めてでした」と、高橋竜彦が目をむいたのは、ハーフターンの直後だった。同組のアマチュア3人が、いきなり途中“棄権”。しかも、その理由が「プレーが遅すぎるから」。笑顔で「See you!(またね)」とだけ言い残して去っていった。

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プロが体調不良を訴えて、別の選手にやむなく交代することはよくある。そのために日本ツアーでは、数人のプロがリザーブとして会場に待機する制度を取って対応しているが、まさか“接待”される側のアマチュアの代りを用意しているわけもなく、取り残された高橋は唖然呆然。たった一人で、これから残り8ホールをどうすればいいのか・・・。

まさか、引き続きラウンドするわけにもいかず、「一人になっちゃった」と、大会本部に駆け込んだところ、ちょうど横田真一の組もアマチュアが一人、棄権してしまったそうでそこに合流することになった。アマ2人をプロ2人でもてなすという豪華ペアリングでひとまず事なきを得たが「それにしても」の珍騒動だった。

横田は横田で、本戦に入ってから現地のハウスキャディに手を焼かされた。一番は、言葉の問題。中国語は話せない。「だから、なんとか僕の小学生レベルの英語でコミュニケーション取ろうとするんですけど、通じない」。途中でボールを変えたくて「チェンジ」などと言って意思表示してみるが、相手は首をかしげるばかり。結局、自分でバッグから取り出すしかなかったという。翌日の約束も大変だった。

「明日はスタートの1時間前にここ、と僕のつたない英語で言うんだけど通じない」。現地で覚えた数少ない中国語を駆使して、時計の針を指さしながら必死で伝えたが、翌日は案の定、約束の場所にいなかった。マスター室にとりあえずその旨を知らせて、自分でバッグを担いで練習場に向かったが、なかなか来ない。

「結局、練習も半分以上終わったころにやっと来る感じで・・・。一事が万事そうだから、英語が話せない僕でさえたまに英語が出来るアジアンツアーのスタッフと話したときなんか、ものすごく安心したりして、ねえ」と、苦笑した。そんなこんなで、日本勢はみな細々としたハプニングが絶えなかった1週間だったようだ。

「・・・でも、それも良い経験」という高橋は、もともとアジアンツアーでの経験豊富だが、それでも来るたびにつくづく思うのは「こちらの選手たちのたくましさ」だという。毎週、違う国を転々としながら瞬時に順応していけるのは、「普段から、経験を積んでいるからこそ」。それは、もちろんコースコンディションの違いだけではない。「交通、宿泊の手配。食事、習慣の違い・・・。今回、僕が味わったような経験を彼らは毎週、繰り返しているわけで、過酷な条件の中で戦い続ける彼らを垣間見るたびに、頭が下がる思いがする」。

そして、そのたびにこう決意するという。「僕らも、もっともっと外に出て行かなくちゃ!」。ジャパンゴルフツアー史上初となった海外開催の大会が、選手たちの心にも様々な思いを刻みつけたようだ。



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