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プレーヤーズラウンジ

ツアープレーヤーたちのチャリティ活動<藤田寛之>

2008/06/16 16:20

中国・四川省で発生した大地震から1ヶ月が過ぎたが、被害に苦しむ人々はいまだ数百万人以上といわれる。これまでに母国出身のW.リャンや、タイのプラヤド・マークセンらがチャリティ金の贈呈を表明したが、中でもいち早く動いたのは藤田寛之だった。

一報を聞いたのは中部国際空港のセントレアだった。その前日に、北京で行われていたアジア&日本のパインバレー北京オープンで3年ぶりのツアー6勝目をあげたばかり。「これまで何度もチャンスがあったのに、なかなか勝てなかったから」と喜びもひとしおで、その余韻も覚めやらぬまま北京空港を飛び立ったのは、地震発生のわずか数時間前だった。

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日本に降り立つなり無残に崩れ去った町の様子をテレビで見て愕然とした。さらに時間を追うごとにその甚大な被害が明らかになり、いてもたってもいられなくなった。

大会週の火曜日には専属キャディの梅原敦さんと、観光がてら万里の長城まで足を伸ばした。高い石段を息を切らせて上ったことも、いまとなっては貴重な思い出だ。
「月から見える唯一の建造物」とまで噂されたその世界遺産は、よく晴れた日なら開催コースのパインバレー・ゴルフリゾート&CCからも肉眼で見ることができた。「その地で、ジャパンゴルフツアー史上初の海外開催のトーナメントが行われたことに、非常に意味深いものを感じた」と、しみじみと藤田はいう。

まして期間中は、通訳や大会スタッフなど、たくさんの現地スタッフのみなさんにお世話になった。「そのおかげで僕は優勝することが出来たんです」と、頭を垂れる。

開催地は震源地から遠かったとはいえ、関係者の中には知人や親類が震災に遭われた方もいるに違いない。そう思うといっそう胸が痛んだ。

大会で手にした優勝賞金1686万9155円のうち300万円を、被災地に寄贈することを決めたのは帰国した翌日だ。「被害の大きさから考えても、その程度のお金では焼け石に水。それでも、何かしないではいられなかった」。そんな気持ちを妻・優合子さんに打ち明けたところ、「あなたがそうしたいと言うのなら」と快諾を受けて、さっそく送金の手続きをすすめたのだった。

「これからも困っている人がいれば、出来る限りのことをしたい」という藤田。そのためにも、まずはゴルフで結果を出し続けることが不可欠だ。さらなるレベルアップを目指した藤田が、師匠・直伝の練習法を再開したのは先月のこと。

テニスラケットで、連続してゴルフボールを打つというユニークな試みは、飛ばしたい方向にフェースがまっすぐ向いているかどうか。「面が大きくて平らなラケットなら、それがより分かりやすくて良い」のだとか。

「毎日の練習にも必ず取り入れるように」と、ずいぶん前から芹澤信雄に言われていたのだが、実はしばらくご無沙汰していた。誰かボールを投げてくれる人がいないと出来ないし、「練習場だとかなりスペースを取ってしまう」との周囲への遠慮もあった。

それに、毎週のようにラケットを会場に持ち込むのも面倒だし、何より「やっててちょっと恥ずかしくて…」と、敬遠していたのだがそれを5月のマンシングウェアオープンKSBカップのときに芹澤に言い当てられてドキっとした。

「おまえ、最近さぼってるんじゃない?」と、電話口でお咎めを受けて大慌て。弟弟子の宮本勝昌と、岡山市内のデパートでさっそくラケットを調達。以来、師匠との約束を忠実に守り、次のツアー通算7勝目をにらんでいる。

ちなみに写真は、三菱ダイヤモンドカップゴルフのときの練習風景だ。たまたまそばを通りかかった横尾要に「それってホントに効果あるのぉ~?」と茶々を入れられた矢先に、直後のショット練習で若干ダフって舌をぺろり…。多少のミスも、苦笑いでやり過ごして無邪気にアピールだ。

「アマチュアのみなさんもぜひ、試してみてください。フィーリングが断然良くなることは、僕の師匠のお墨付きです。…ただし、周囲には十分にご注意を!!」。そんな気さくさと他者への気配り、優しさがなんといっても魅力の選手である。



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