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プレーヤーズラウンジ

ツアープレーヤーたちの世代交代

2008/10/13 09:47

男子ツアーに本格的に押し寄せる世代交代の波。優勝者も30代前半から20代の選手が名を連ね、顔ぶれも一気にリフレッシュした感がある。80年から90年代にかけて、“新人類”と呼ばれた選手たちが、そろそろベテランと言われる域にさしかかり、いまはあのころとはまた違った若者像が見られる。

当時のゴルフ部出身者は、失礼のない程度に上下関係の距離を近しいものにしつつ、それでも体育会系という表現にも象徴されたように、最低限の礼儀や規律を重んじたものだが、いまや完全にその垣根は取り払われていると言ってもいいかもしれない。

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実際に「アジアパシフィック パナソニックオープン」で谷原秀人は優勝を競い合ったひとつ上の矢野を「東(あずま)」と呼び捨てにして、「絶対に負けない」と堂々と宣戦布告した。

もちろんそれも普段から食事に行ったり、親交がある上での“無礼講”だが、ひと世代上の選手たちにはありえなかったことだ。それは谷原に限らず、いま第一線で活躍する同世代の選手たちの多くが、そういうフランクな上下関係を結んでいるように感じる。

ちょっとやんちゃな後輩に、先輩は「あいつはしょうがねえなあ」と呆れつつ「まあ、いっか」と受け入れている。そうやって仲良くしていながらも、ちゃんと気持ちの切り替えは出来ていて、ひとたびコースに出れば容赦なく相手に戦いを挑み、なおかつ互いに勝負を楽しみ尽くす。

敗れた矢野は、勝った谷原の肩を抱いて言ったものだ。
「今日は本当に楽しかったな!」。そこには後ろ暗さは微塵もなく、むしろ見るものを爽快な気分にさせたものだが、2人の間に挟まってのラウンドだった横尾要は、世代の違いを大いに痛感したようだ。

たとえば、インタビューひとつとっても「自信がある」「いま絶好調です」と繰り返す矢野や谷原に「僕らの時代にはあり得なかったこと」と、目を丸くするのだ。

「俺のころは、そんなふうに言うと何を偉そうにと言われた時代だったから。でもいまどきの若い子たちは、そういうふうにはっきりと口にする傾向にあるんだね。なおかつ結果も出して、ほんとうに羨ましいよ」と、しみじみと言ったものだ。

「俺は自信があるなんて、絶対に言えない」という横尾は、矢野に「要さんは、ネガティブすぎるんですよ」と、だめ押しされる始末だった。それでも、最近は毎週のように上位に顔を見せて横尾は言う。

「調子は悪くない」。
そして破顔一笑。「僕の“調子は悪くない”は、調子が良いんだと思ってもらって構わないから」。なんだか、素直じゃない言い方ではあるが、これが今年36歳を迎えた横尾のこだわりだ。

「自信があるからといって、勝てるわけじゃないから」と、V宣言は巧妙に避けつつ、それでも「経験は僕のほうが長い」と、プライドもちらり。「そこらへんで頑張って、あとはどんなゴルフでもいい。きれいなゴルフでなくてもいいから、がむしゃらに若いやつらにくっついて行く」というドン欲さも垣間見せ、虎視眈々とツアー通算6勝目を狙っている。

ベテランと中堅、さらに下は17歳をはじめとする若手がそれぞれ個性を発揮して、ちかごろますます盛り上がりを見せる男子ツアーは、これから高額賞金のビッグイベントが目白押しだ。

谷原に次ぐ賞金ランク2位につける片山晋呉は、横尾と同期。また同3位の矢野も、初の賞金王獲りを宣言して、賞金レースもがぜん面白くなってきた。各世代が切磋琢磨して、最後に笑うのは果たして・・・!?



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