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遠のく勝利に引退も覚悟!上田桃子が涙の復活V

2017/05/21 16:03


◇国内女子◇中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン 最終日(21日)◇中京GC石野コース(愛知)◇6401yd(パー72)

上田桃子が3季ぶりの優勝を遂げた。1打差を追って出ると、8バーディ、1ボギーの「65」をマーク。通算16アンダーで逆転し、ツアー通算12勝目を収めた。2014年秋以来の勝利に「優勝は近いようで遠かった」と涙を流した。

打ち切った―。1打リードで迎えた終盤17番。グリーン右ラフからのアプローチは、カップを7mオーバーした。ギャラリーからため息が漏れる中、冷静にラインを確認した。しっかり放った白球はフックラインに乗った。静寂とともにカップを鳴らすと、笑みを浮かべて安堵した。歓喜をたぐり寄せるパーパットは、悪夢を乗り越えた瞬間でもあった。

忘れられない苦い記憶が蘇った。地元を襲った熊本地震から1年後、その故郷で開催された4月の「KKT杯バンテリンレディスオープン」。最終日の最終ホールまで2打差で首位に立っていたが、80センチのパーパットを外した。西山ゆかりに並ばれ、プレーオフで敗戦した。決め切れない勝負弱さがあった。「本当に大事なところで決めないと、勝てる選手にはなれないんだ」。

何度も味わってきた勝負の怖さ。悔しさは、家族にも口にはしなかった。母の八重子さんは「もっと愚痴を言ってくれればいいのに。本当につらかったと思う」と思いやった。上田は「本当にショックだった」と振り返り、「これだけ調子が良くて勝てなかったら、いつ勝てるんだろうと思っていた」。再び訪れた優勝争いに恐怖心すら覚え、前夜は眠れなかった。

昨季は賞金ランク35位に低迷し、強い決意で復活を誓った。「今年、勝てなかったらゴルフを辞めなきゃいけない―」。今季を控えたオフ、チームのメンバーに引退の覚悟も伝えた。そして、練習を重ねた。休日を削り、ショットを繰り返した。徐々に実りはじめ、優勝争いに顔を出すようになってきていた。

思いはきょう結実した。「もう少し頑張っていいんだな」。復活した上田は頬をほころばせて言った。(愛知県豊田市/林洋平)

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