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「運動会ではいつもビリ」アマチュア娘の一等賞、母はビックリ仰天

北海道北斗市で8日に開幕した「ニッポンハムレディス」でアマチュアの小祝さくら(北海道・飛鳥未来高3年)が6連続バーディを含む「65」でプレー。7アンダーとして、後続に3打差をつける単独首位で滑り出した。プロ1勝の勝みなみ(鹿児島高3年)らと同じ、期待の世代の一人。プロツアー7戦目の18歳は、地元の新規大会での躍進に「まさかです」と驚きを隠せない。

リーダーボードを駆けあがった見慣れない名前。周りも騒然としたが、一番ビックリしたのは当の本人と母だった。4番でボギーを先行。10mのバーディパットを決めた7番から、勢いに乗った。8番も奪うと、9番で再び10m強を入れた。折り返した10番もチップイン。11番で5m、12番で再度10mを沈めた。さらに伸ばし、プロたちを置き去りにした。「6連続も(ホールアウト後の)いま知りました」とコース上では無心だった。「入り過ぎて怖い…」と、口を開けたままになった。

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自他ともに認める運動音痴。昔から運動会の徒競走ではいつもビリ。中学時代には同級生から「リレーに出ないで」と言われたことも。20mを、徐々に速くなる音にあわせ往復するシャトルランは48回ほど。同年代の女子選手は「80回くらい」なので、その半分程度だという。小学生で習ったヒップホップのダンスは半年で辞めた。

母・ひとみさん(36)の影響で、8歳でクラブを握った。ゴルフは続いた。少し天然っぽく「運動神経は関係ないんですよ」と言い張る。みるみる力をつけ、北海道のジュニア大会などで優勝。中学入学のころには「プロになりたい」と意識した。遠征は多くなり、費用はかさんだ。

家計は厳しい。母子家庭の小祝家。高校の試合では半分は、高校が負担する。だが、他は実費。母は飲食店を自営する。娘がプロを意識し出したころに開いた。「昼は(娘に)つけるように、夜働かないと」。この日も駆けつけた母の苦労がにじむ。

緊張しながら、ゆっくりと取材に答える小祝。胸に秘める闘志はある。今大会の練習日に勝と回った。来年受験予定のプロテストまでに追いつけるように、といまは憧れの存在。その日も「全然追いつけなかった」と母に言った。「でも、強い人が多い世代だから私も頑張らないと、一応は言うんです」と笑う母。

小祝は「あしたもこのスコアを出すのは無理」と息を吐いた。母も「(優勝は)絶対にないですよ。普段やっていることを出してくれたら」とほほ笑む。だが、初日の主役は奪った。どんな結果であれ、決して小さくない祝いが待っている。(北海道北斗市/林洋平)

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2016年 ニッポンハムレディスクラシック



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