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メジャー覇者撃破!成田美寿々「震えが止まらない」

2014/05/11 16:44

茨城県の茨城GC西コースで開催された国内女子メジャー「ワールドレディスサロンパスカップ」最終日。2打差の2位から出た成田美寿々が6バーディ、1ボギー「67」をマークして通算9アンダーとし、フォン・シャンシャン(中国)を破ってツアー通算3勝目を初のメジャータイトルで飾った。

心は既に73ホール目へと向いていた。フォンとトップタイで並んで迎えた最終18番。奥からのバンカーショットをピンそば90センチに寄せた相手を、成田は驚くことも無く素直に受け入れていた。「海外メジャーも勝っているシャンシャンさんは、絶対にボギーを打たない。プレーオフのことを考えていた」。だがその矢先、2012年の「ウェグマンズLPGA選手権」覇者のショートパットはカップをそれ、ボギー以上が確定。最後の最後に逆転のチャンスが転がり込んだ。

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パーパットを前に、両腕が、両手が震えた。「震えが止まらなくて。グッ!と握って、パン!と打った」。わずか50センチのウィニングパット。カップを叩いた乾いた響きは、瞬く間に割れんばかりの大声援に変わった。

「嬉しすぎて、まだ手が震えている。でも今日もしっかりと攻めようと思って。最終日最終組で60台を出したいと思っていた。優勝は意識せずに回ったら、結果的に5アンダーのスコアになった」。日本のメジャータイトルを持つフォン、そして宮里美香を振り切り、21歳215日で挙げた勝利は、メジャー史上6番目の年少初優勝記録となった。

2012年の初勝利から、これで3年連続となる白星。「私は急に何かができるタイプじゃない。コツコツやってきた。だから今日ちょっと(そのペースを)通り過ぎてしまった感じもする」と順調すぎるステップに、自ら驚くところもある。

ただ、ここに至るまでの準備には胸を張った。「結果が出ないとやってられない!と思うくらいトレーニングしてきた。例えば400メートル走を、インターバル1分で8本走ったり…肺が破裂するかと思った」。

今季バッグを担いでいるのは現在産休中で、昨年のこの大会を制した茂木宏美とコンビを組んでいた佐藤大輔キャディ。右ドッグレッグの9番ホールでは、例年ティショットをドライバーで攻めていたが、今週は「頼むからこれで打て」と指示され、フェアウェイウッドを握る作戦に変更。この日も確実にパーを拾って前半のリズムを崩さなかった。

まだシーズンは全日程の3分の1に差し掛かったばかりだが、賞金ランクはトップに浮上。「賞金女王なんて考えてなかった…」と口にしたが「でもオリンピックを考えると、今年賞金女王争いをするくらいでないと、出ることさえできない」と続けた。2016年&20年の五輪を見据え、世界での活躍を夢見ている。次週のツアーは欠場し、19日(月)に行われる「全米女子オープン最終予選」の会場で練習ラウンドを重ねる予定だ。

「絶対に、全米に出たいんです」。まさに竹を割ったような素顔を持つ21歳。高い空に伸び行く可能性を十二分に感じさせた。(茨城県つくばみらい市/桂川洋一)

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