理路整然の語り口と強い目力 沖縄の17歳・吉崎マーナはかつての宮里藍のように
◇国内女子◇ダイキンオーキッドレディス 初日(6日)◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄)◇6610yd(パー72)
身長151cmの小さな体で背筋をピンと伸ばし、17歳の吉崎マーナ(沖縄カトリック高)はハキハキとメディアの質問に答えていった。
後半5番でスコアをイーブンに戻した初バーディ。「120yd、左からのフォロー、9番アイアンで抑えて打って、ピンの右下2.5mに。ラインはカップを外さず、ほぼ真っ直ぐでした」。質問者を見つめる目力の強さ、淀みのなく理路整然とした語り口、軽やかなトーン…。2000年の本大会に当時14歳でツアーデビューした同郷のレジェンド、宮里藍さんを思わせる受け答えだった。
本戦出場枠4人のアマチュア予選会を突破し、4年連続4度目の出場を1アンダー「71」。首位と3打差6位でスタートした。「大変でした。とても風が強くて。でも、昨年より成長したと思えました」。オフに磨いた100ydの距離感。トレーニングも積み、ヘッドスピードは昨年の37m/sから38m/sへ。「本当は40(m/s)まで行きたいけど、ドライバーの距離は5ydくらい伸びました」。この日、成果が出たのは数字に現れない部分だ。
「風の中でも、ショットに余裕が持てるようになりました。歩くテンポも乱れなかったです。ただ、パットは少しリズムが遅くなって…。悪い時、ラインを後ろから見て、アドレスに入る時に1秒ほど遅くなっちゃうんです」。そう言って自己分析した。
高校3年を迎える今年は、プロテストに挑む。それだけに、好発進とはいえ満足できない。「スコアは(71では)全然足りません。60台、68が目標でしたから」。身長は「わずかずつまだ伸びていますけど…もう諦めています。その分、プロテインなどを摂ってフィジカルをしっかりさせたい」。宮里さんは155cm。そして、古江彩佳、西村優菜、山下美夢有ら150cm前半の先輩らが世界で戦う姿が「希望です」と言う。
「マーナ」という名前の由来は、ハワイ語で生命の根源、スピリチュアルなパワーを意味する「mana」。冷静に自分を見つめ、理解し、努力する17歳が残り3日も全力を尽くす。(那覇市/加藤裕一)