「なるべくシンプルに」 稲見萌寧は3月開幕戦から再スタート
ニューバランスと契約を結ぶ女子プロゴルファーの稲見萌寧が14日、千葉県内のゴルフ場で行われた同社新作シューズの発表会に出席した。同じく契約プロの山下美夢有を交えたトークセッションでは、この日に発売するフラッグシップモデル「FuelCell 1001 v5」の性能をアピール。昨年は米女子ツアーに初参戦し、今年から国内ツアーを主戦場に戻す2025年シーズンへの抱負を語った。
23年の日米共催「TOTOジャパンクラシック」優勝で資格を得た昨年の米ルーキーイヤーは、18試合に出場して予選通過6回。トップ10は1回にとどまり、年間ポイントランキングは今季シード(80位まで)に届かない104位で終えた。直近2シーズンの優勝者が出場できる2週前の今季開幕戦「ヒルトン・グランドバケーションズ」は、「仕上がっていないまま行って、また戻ってやりなおす時間は今の私にはないのかな、という部分と、ちょっと体調も崩していた」ことで出場を見送った。
今季の国内ツアーは2020年「東京五輪」銀メダリストの資格(5年シード/29年まで)で出場する。「まずは1勝したい」と目標を挙げるとともに「3ツアーズには出たいので(年間ポイント)ランキングを上げていきたい」とも話し、12月のツアー対抗戦への出場をゴールのひとつに定めた。
21年に年間8勝を重ね、20-21年シーズンに初の賞金女王を戴冠した当時の感覚を早く取り戻すことが目下のテーマ。このオフは「体やスイングを見直して取り組んでいる」という。昨年はシーズン途中に球筋をフェードからドローへ移行させるなどショットの試行錯誤が続いた。「なるべくシンプルに、良かったころの感覚に近づけるように」と原点回帰し、持ち球のフェードに磨きをかけていく。
スイングの改良に向けて、トレーニングにも変化を加えている。体に「しなやかさと強さ」を求め、可動域を広げて柔軟性を高めるストレッチを取り入れた。「ちょっとずつ(体が)硬くなっているように感じる。スイングをもっと安定させるには捻っていかないと(体を捻転させないと)いけない。そういう体を作って、スイングとなるべく一致させて良くしていけたら」
米ツアー再挑戦に向けては「メインとしてはありません」と明言。「メジャーなど単発では出場したいので、日本で(世界)ランキングを上げていけるよう頑張りたい」と今後は国内ツアーに専念する。2年ぶりに出場する開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」(3月6-9日/沖縄・琉球GC)に向けて、まだ構築中の体とスイングの状態を仕上げていく。(編集部・塚田達也)