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最終日の“呪縛”を解いた山下美夢有 「海外メジャー優勝にはレベルアップしないと」

◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 最終日(17日)◇エリエールGC松山(愛媛)◇6575yd(パー71)◇曇り(観衆4110人)

前半7番、山下美夢有はセカンドを打った後で明らかに不満そうなアクションを見せた。前足下がりの傾斜地とはいえ、フェアウェイのセンター。右サイドのピンを狙うはずが、アイアンショットが左に飛んで長いバーディパットを残した。

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2パットのパーとした直後、8番(パー3)で目の覚めるような一打を放った。147ydの距離を7Iでピンそば3mに絡める最初のバーディ。同組・鈴木愛との差をスタート時の4打に戻したシーンを「あまり深く考えないようにしようと思って、リズムだけ意識して。自分ではいつも通りプレーしているつもりですけど、(周りの)スコアが出ているので、やっぱり力も入ってくる。3日目と同じようにプレーしようと、8番から切り替えました」と振り返る。

過去2シーズンの年間女王が、ここまで10月「富士通レディース」の1勝だった。「ショット自体もそこまで良くない中、モヤモヤっとした感じで最終日を迎えて、なかなかバーディを決められずに2位で終わることが多かった」。リズムが早くなってしまうなど、理想のスイングがなかなかできないジレンマを抱えながら優勝争いで勝ち切れず、惜敗を重ねてきた。

今季もトップを走る平均ストロークだが、最終日に限れば「69.1981」で竹田麗央に次ぐ2位。竹田と並ぶ首位で最終日を迎えた「日本女子オープン」も3位で終えるなど、3年連続年間女王を逃す要因ともなった。「麗央ちゃんの年間8勝って、すごいと思う。私もいいプレーをしているけど、さらにいいプレーをされているから、しょうがない」。素直に“ライバル”の強さをたたえ、再び勝ち切れるゴルフを目指す中でラスト18ホールのスコアメークにフォーカスしていた。

呪縛を解くような「68」で通算22アンダー。パー71設定における72ホールのツアー最少ストローク記録を1打更新する262ストロークで伸ばし合いを制した。大会3連覇がかかる次週の最終戦「JLPGAツアー選手権リコーカップ」(宮崎CC)、その先の12月には米ツアー最終予選会(アラバマ州マグノリアグローブGC)も控える。「やっぱり(海外)メジャーで優勝するには、もっともっとレベルアップしないといけない」。世界の頂を見据えるからこそ、優勝会見でも貪欲だった。(愛媛県松山市/亀山泰宏)

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