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「40cmオーバーのパット」 38歳ママさん横峯さくらの新発見

◇国内女子◇住友生命Vitalityレディス東海クラシック 初日(13日)◇新南愛知CC美浜C(愛知)◇6560yd(パー72)◇晴れ(観衆4949人)

序盤の3番パー5で、横峯さくらのティショットは右OBゾーンに消えた。最後は6mをねじ込んでのダブルボギー。6番は7mから1mオーバーし、返しを外してボギー。弱り目に祟り目と周囲には見えたかもしれない。

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しかし、この3パットこそ、上がり4連続バーディでマークした「68」を呼び、横峯いわく「1mオーバーして、返しを入れられなかったのはダメだけど…。上を目指すために必要な“通る道”」だったそうだ。

「私、ずっと最後に弱い分(カップ前で)切れて入らないがずっと続いていて。だから、パットの40cmオーバー。それを徹底して心がけるようにしたんです」。届かなければ、入らない。パットの鉄則だ。身に染み付いた“弱めのタッチ”を克服するため、それを実践する思いは当然だろう。しかし、なぜビミョーな40cmなのか? 30cm、50cmではダメなのか?

「それが一番、入るタッチなんです」。その根拠は?「調べたんです」。何で?どこで?「ネットです」。横峯はそう答えて、少し恥ずかしそうに笑った。どんなレッスンプロ、プロコーチの教えかは覚えていない。「私は今までどれだけ一生懸命(強めに)打っても、30cmオーバーのイメージしか出なくて」。プラス10cmの、彼女にしかわからない感覚が根拠のすべてのようだ。

同い年の宮里藍のライバルとして、日本ツアー通算23勝を挙げ、2015年から米ツアー参戦。21年2月に長男を出産し、再び日本に主戦場を移したベテランがゴルファーとして望むものは、メンタルトレーナー兼帯同キャディの夫、森川陽太郎さんと愛息とともに手にする“ママさん優勝”しかない。

陽太郎さんは「この5、6年、ずっと言い続けていたこと(カップをオーバーさせるパット)をやっと意識してくれるようになりました。“40cm”は、彼女がどっかから調べてきてくれて」という。

横峯は言う。「(プロになって)20年、今頃本当にって思いますけど。私の中でずっと“カップをオーバーさせなきゃ”と考えてきたけど、大雑把にそう思ってきただけなんで」―。優勝を狙える首位と4打差の5位発進。自分なりの“拠り所”を見つけたプロ21年目、38歳のママさんプロは残り2日も“40cm”を念頭にプレーする。(愛知県美浜町/加藤裕一)

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