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生涯最大の号泣から“完全覚醒” 竹田麗央が手にした「2倍の自信」

◇国内女子◇フジサンケイレディスクラシック 最終日(21日)◇川奈ホテルGC富士コース(静岡)◇6494yd(パー71)◇曇り(観衆1853人)

20歳最後の試合だった3週前の「ヤマハレディース」。最終日を単独首位で迎えた竹田麗央は「73」とスコアを落とし、小祝さくらに逆転を許した。スタート前の2打差を守れなかった。帰りの車に乗り込んだ瞬間、涙が噴き出した。「今までで一番自信があったのに、なんでだろう…」―。横で見ていたプロゴルファーの母・哲子さんは「あそこまで泣いたのは初めてです」と振り返る。

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先週、地元・熊本開催の「KKT杯バンテリンレディス」の最終日、3打差を逆転して念願のツアー初優勝を手にした。

そして今週。後続に3打差をつけ、この日を迎えた。「先週は追いかける立場でスタートして優勝。今週はトップからのスタートで気持ちも違ったし、先週(の優勝)があったから最後まで自信を持ってプレーできた」。同組の野澤真央が出だし3連続バーディを奪い、5番で早くも並ばれた。しかし、「まだ残りのホールもあったし、バーディを獲れると思っていたので焦らずプレーできた」と冷静だった。

前半を単独トップで折り返したが、11番で再び並ばれる。そこからギアが上がった。12、13番で連続バーディ、16番(パー5)で3mのチャンスをねじ込み、3打リードと完全に抜け出した。この日の難度1位の最終18番は140ydの2打目を9Iで2mにつけてバーディ締め。キャディを務めた兄・有男(ゆうた)さんと笑顔でハイタッチを交わした。「2勝目を早く挙げたいと思っていたけど、こんなにすぐできるとは…。本当に先週の優勝で自信がついたと思う」。号泣を経ての初タイトルは、竹田を大きく成長させていた。

日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の小林浩美会長は「2倍の自信を得られたと思う」と話す。「勝てそうで勝てなかった状況を、さらに地元でのプレッシャーを一緒に超えちゃった。技術的にもしっかりしてないと2週連続で勝てないし、力のある証拠」と称賛した。哲子さんも「やっぱり自信が出てきて、ちょっと力が抜けた感じだった。並ばれても慌てない感じだったのでスゴイなと」と目を細めた。

史上4人目の「ツアー初優勝からの2週連続V」を達成したことで、メジャー第2戦「全米女子オープン」(5月30日開幕/ペンシルベニア州・ランカスターCC)出場にも大きく前進。現在74位の世界ランキングが「5月27日時点の75位以内」に入る確率が高まったためで、エントリーしていた22日の日本地区予選会(千葉・房総CC 房総ゴルフ場)はキャンセルする。「出たい試合だったし、アメリカでプレーしてみたかったので頑張りたい」と力を込める。

年間女王争いのメルセデスランキングも鈴木愛、小祝を抜いてトップに浮上した。「自分が年間女王とかは想像していないんですけど、最後まで一生懸命やったらチャンスがあると思うので頑張りたい」。どん底から3週間で“覚醒”した21歳が、国内女子ツアーの主役になった。(静岡県伊東市/内山孝志朗)

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