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100本以上のパターから“1本”を決める青木瀬令奈の選び方

◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 最終日(19日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6575yd(パー71)◇曇り(観衆5079人)

例年「新しいことにチャレンジ」を心掛けている青木瀬令奈は、今季も思いついたことを積極的に試すことに取り組んでいる。試行錯誤の先に「いい刺激」を追い求め、役立つ要素と思えるものは取り入れていく。

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コースによってパターを替えているのも、そのうちのひとつだ。今年、出場35試合で20回は替えてきたという。3月「Tポイント×ENEOS」と今週は同じオデッセイの「ホワイト・ホット OG #1WCS」で、2度の優勝を手繰り寄せた一本だ。「相性がいい」ということもあるが、「自分の打ち方は変えずにパターを替えて、感覚と理論をすり合わせながらやってみよう、というのが今年のテーマ」。もちろん、替えるにあたっては“持論”がある。

2011年にプロ転向してレギュラーツアーのコースを回り、開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」の会場となる琉球GC(沖縄)と「フジサンケイレディスクラシック」の川奈ホテルGC富士C(静岡)では、同じ高麗グリーンでも「カップに向かう切れかたが全然違う」という。「琉球GCは思ったよりも切れない印象があるけど、川奈や(同じく高麗の)宮崎CCは切れやすい印象がある」と考察する。

シーズン初戦をアジャストできても、第2戦「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ」の土佐CCはベントグリーン。例年、芝質の違いに苦戦をしがちで、序盤戦に生まれる違和感を解消しようと徹底的な分析を始めた。「パッティングコーチと話をする機会があって。琉球の芝は(ボールが)浮きやすいからロフトが2度か2.5度立っている方が転がりやすいけど、逆にベントだとちょっと沈むから3度か4度寝ているので打てば同じような切れ方、イメージになるんじゃないかって」

さらに、ゴルフは天候との戦いだ。「雨の日は、水滴がある分あまり切れない」など、湿度や芝の乾き具合でボールの転がりは変わる。日々の天気をにらみつつ、「毎年同じコースでやってくださっている大会が多いから、大体このパターは相性がいいかも、というのは分かる」と、自宅にある100本以上あるパターから毎回選んでは調整に入る。「今週は思ったより軟らかかったからロフトが寝ている方がいいのかな?とか。楽しみながらパターを替えています」。毎日書くという“懺悔ノート”に過去のデータを全て蓄積している。

「昔から飛ばないということもあって小技でスコアメークをしていたけど、最近はデータも含めて科学で解明されているところとすり合わせながら、毎日の積み重ねが形となっている。パッティングに関しては昔よりも自信を持って打てている。前は“なんとなく”という感覚で打っていたのも、より鮮明にしっかりとラインを読んで『こういう状況だから、こういうミスになる』とか。自分の経験値を照らし合わせてできている」。日々研鑽してきた技術と知識が合わさって得た、自身初のシーズン2勝目だった。(松山市/石井操)

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